カール・ベームは1963年に初来日公演をおこないました。ベルリン・ドイツ・オペラと、日生劇場のこけら落としで『フィデリオ』などを上演。その際に11月7日に1度だけ第九の演奏会がおこなわれ、スッキリとした響きで日本の聴衆を堪能させました。名歌手たちの勢揃いにも注目です。
ヴァーグナーの楽劇を演奏するためのイベント、バイロイト音楽祭。ベートーヴェンの第九も演奏が許される慣習があり、1963年7月にはカール・ベーム指揮で第九の演奏がされました。そのレコーディングは、モノラル録音ながら、フルトヴェングラーを彷彿とさせるような圧倒的な演奏をおこなっています。
チャイコフスキーを得意とした指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは、1975年から79年にかけて交響曲全集をベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と完成させました。70年代は、贅肉のない引き締まったギリシャ彫刻のような演奏をしていたカラヤンとベルリンフィル。チャイコフスキーの旋律をキリッと引き立てています。
イタリア出身の指揮者カルロ・マリア・ジュリーニは、1978年から1984までロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督を務めました。録音もいくつかおこないましたが、ブラームスについては交響曲第1番と第2番を録音しています。伝統にとらわれないのびのびとした演奏です。
ヴラディーミル・アシュケナージは盟友ベルナルト・ハイティンクとともに1981年と1982年にブラームスのピアノ協奏曲を録音しています。オーケストラは第1番がロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でいぶし銀の渋さで魅了し、第2番はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が柔らかい音色で理想的な演奏をおこなっています。
ヴラディーミル・アシュケナージはピアニストとして3回、映像作品も1回、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録音しています。そのいずれもがそれぞれの個性を放つ演奏ですが、比較するとどのような違いがあるのでしょうか。オススメの録音も紹介していきます。
20世紀後半を代表する指揮者の一人、サー・ゲオルグ・ショルティ。幅広いレパートリーを持っていましたが、ベートーヴェンも重要な作曲家でした。ウィーンフィルやシカゴ響、ベルリンフィルを指揮したショルティのベートーヴェン録音についてまとめています。
グスタフ・マーラーの演奏に定評あるオランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。2009年から2011年にオムニバスの指揮者によるマーラー交響曲全集をライヴ映像で完成させています。当時首席指揮者だったマリス・ヤンソンスを始め、ベルナルト・ハイティンク、ピエール・ブーレーズなど錚々たる指揮者が登場した豪華な演奏でした。
クリスティアン・ティーレマンは首席指揮者を務めるシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して、2012年から2019年にブルックナーの交響曲全集(第1番から第9番)を演奏会でライヴ録音しました。本拠地ゼンパー・オーパーを始め、新しいエルプフィルハーモニーなどホールの違いも楽しめます。ゆったりとした骨太の演奏です。
ノルウェー出身の実力派ピアニスト、レイフ・オヴェ・アンスネスがマーラー室内管弦楽団を弾き振りして録音したモーツァルトのピアノ協奏曲第20番から22番を中心とするアルバム。1785年の作品にフォーカスして、ベルリン・フィルハーモニーとブレーメンのゼンデザールでの録音で、あいにくのコロナ下のため全てセッション録音となっています。
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