ウィーン国立歌劇場の監督と対立し、1964年に芸術監督を辞任してから録音とザルツブルク音楽祭以外では共演しなくなったヘルベルト・フォン・カラヤンとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。1978年5月にカラヤンが久しぶりに指揮台に立ち、ブルックナーの交響曲第9番とテ・デウムを演奏します。映像作品をレビュー。
ブルックナーを度々演奏、録音してきたヘルベルト・フォン・カラヤンは晩年の1980年代後半にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と交響曲第7番と8番を録音しましたが第9番はありませんでした。しかしベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した1985年11月24日の万霊節での映像があり、晩年のカラヤンの境地を感じます。
デンマーク出身の指揮者トーマス・ダウスゴーはノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲チクルスを進めています。第1弾となったのは第6番。突き進むような圧倒的な演奏で従来のこの曲のイメージを刷新。音楽之友社の名曲名盤500+100でこの曲の第1位となったアルバムです。
オランダ出身の指揮者ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンはオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団との首席指揮者時代にブルックナーの交響曲全集を完成させています。交響曲第6番は真面目さとほの暗さがある演奏で、Apple Musicでも上位にランクインする人気アルバムです。
デンマークの指揮者トーマス・ダウスゴーは、ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲チクルスに取り組んでいます。2019年6月には交響曲第3番「ヴァーグナー」を録音。演奏頻度があまりない1873年の第1稿を採用し、好きか嫌いか分かれるモノリスの大作からむき出しの感情を引き出しています。
ゆったりとしたテンポで独特の世界観を生み出すセルジュ・チェリビダッケのブルックナー。録音嫌いで評判ほどレコーディングが遺っていませんが、1994年4月23日のポルトガル・リスボンでおこなわれた演奏会のブルックナーの交響曲第8番の録音は彼の最高の演奏の一つとして言われています。
絶好調の指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロトが手兵のケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団とブルックナーの交響曲全集に挑んでいますが、第2弾が第4番「ロマンティック」。通常の第2槁ではなく1874年の第1稿によるもので、ギュンター・ヴァントゆかりのギュルツェニヒ管と機敏な演奏をおこなっています。
イタリア出身の名指揮者ジュゼッペ・シノーポリは、シュターツカペレ・ドレスデンとブルックナーの交響曲に取り組みました。残念ながらシノーポリの急死によって全集にはならず6つの交響曲の選集となってしまいましたが、シノーポリならではの深い解釈とドレスデンの古豪の響きがする名演に仕上がっています。
ブルックナーと縁ゆかりが深いウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ですが、意外にも一人の指揮者で交響曲全集を完成させたことはこれまでありませんでした。ウィーンフィルとの全集の指揮者にクリスティアン・ティーレマンが選ばれ、第00番と第0番も含む11曲をライヴ録音しました。インタビューで語ったブルックナーへの想いとは。
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