ヴラディーミル・アシュケナージは1970年代からピアノだけでなく指揮者としての活動を広げています。1977年にフィルハーモニア管弦楽団と録音したチャイコフスキーの交響曲第5番。抗えない運命に対してアシュケナージの指揮はえぐるような悲痛さで訴えかけます。
東ドイツを代表する指揮者の一人クルト・ザンデルリングは当時は珍しくシベリウスに取り組んだ指揮者。交響曲全集はベルリン交響楽団との録音で、1970年から77年にかけてイエス・キリスト教会でのセッション録音。シンフォニックに響かせながらも初期の交響曲の英雄的な響かせ方や、後期交響曲での空気感のある侘び寂びが見事です。
旧ソ連でエフゲニー・ムラヴィンスキーのアシスタントも務めたクルト・ザンデルリングはショスタコーヴィチを得意としていて、ベルリン交響楽団と第1番、5番、6番、8番、10番と15番を録音しています。柔らかさと重厚さがありつつも第5番や10番では圧倒的な演奏。さすがです。
ベートーヴェンの交響曲の中でも人気のある第5番「運命」と第7番。クラシック音楽をこれから聴き始める方にもファーストチョイスとしておすすめしたいのが、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の1970年代の録音。スッキリとした洗練されたハーモニーが特徴的です。
1975年から2014年まで39年間を掛けて完成させたマウリツィオ・ポリーニのベートーヴェンのピアノソナタ全集。その中でも最初の1975年から77年に録音された後期ピアノソナタは、圧倒的なテンポとピアニズムで演奏史に残る金字塔を成し遂げたとも言える名演。英国グラモフォン賞の他ドイツとフランスでも受賞した名盤です。
ヴラディーミル・アシュケナージはスクリャービンの第一人者でもあり、ピアノ・ソナタや交響曲の全集を完成させています。ピアノ・ソナタは1972年から84年にかけて録音され、1977年6月に録音された第2番はオランダのエジソン賞を受賞した名盤です。詩情と情熱を感じさせます。
デッカレーベルの専属だった指揮者サー・ゲオルグ・ショルティは、シカゴ交響楽団とRCAレーベルに一度だけ録音をおこないました。それが1977年のヴェルディのレクイエムで、ショルティにとってはウィーンフィル盤以来の10年ぶりの再録。ソプラノにレオンタイン・プライスを配して圧倒的な演奏をおこなっています。
ドイツの指揮者、オイゲン・ヨッフムはブルックナー協会の会長も務めたことがあり、ブルックナーの大家。交響曲全集も2回完成させていて、2回目はシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した演奏で、1975年から80年にかけて録音されました。旧録よりも丸みを帯びるどころか、より尖った演奏となっています。
サー・ゲオルグ・ショルティのドキュメンタリー映像、「人生の旅(Journey of a lifetime)」。そのボーナス映像として、1977年10月のシカゴ交響楽団との演奏会の映像が収録。オール・ロシア作品のプログラムで、シカゴ響の機動力とスケール性を最大限引き出しています。
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