2012年から2013年にかけて行われたリッカルド・シャイーとゲヴァントハウス管弦楽団によるブラームスの交響曲ツィクルス。その全集には、世界初演となる作品や、交響曲の別のバージョンの演奏も含まれています。英国グラモフォン賞を受賞した交響曲全集をレビューします。
2008年10月〜11月のわずか2週間でベルリンでブラームスの4つの交響曲をライヴ録音したサー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。このコンビの待ちに待ったブラームスの交響曲全集は重厚感と躍動感が揃った名演で、ラトルとの新時代を感じさせます。
サー・ゲオルグ・ショルティは1969年にシカゴ交響楽団の音楽監督に就任しました。初めてのレコーディングに選ばられたのは、マーラーの交響曲第5番。スケール満点で速めのテンポで引き締まった演奏を行いつつ、アダージェットでは美しさを堪能させてくれます。
ルツェルン音楽祭2007夏では、アバド/ルツェルン祝祭管がマーラーの交響曲第3番を演奏。アバドの深い解釈、ルツェルン祝祭管とのじっくり作り上げたハーモニーで、この曲の最高峰の名演となりました。演奏後のアバドの指揮棒が下りるまで、聴衆も拍手を我慢して固唾を飲んで見守っていました。
1994年12月、イギリス・ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで演奏された「椿姫」。本番直前にショルティ自身がテレビ局に掛け合ってライヴ中継を決断させ、ヴィオレッタ役を務めたアンジェラ・ゲオルギューを世界的スターに押し上げた伝説的な公演です。
1970年代にサー・ゲオルグ・ショルティがシカゴ交響楽団と録音した1回目のベートーヴェンの交響曲全集。その中でも1972年に録音された交響曲第9番「合唱付き」は、オペラで鍛えたショルティらしく稲妻が落ちるような迫力があり、劇的な効果を生み出しています。
2019年11月8日、ニューヨークのカーネギー・ホール。マリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団は、R.シュトラウスとブラームスのプログラムで演奏を行いました。体調不良だったヤンソンスの最後のコンサートとなり、3週間後に他界されてしまいます。儚くて美しい、極限美のラスト・コンサートです。
NHK音楽祭2008では第3夜にマリス・ヤンソンスとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が登場。ブラームスとR.シュトラウスのプログラムでしたが、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は、演奏後に大声で「ブラァボー」と絶賛された演奏です。
NHK音楽祭2011で高い注目を受けたのは、エフゲニー・キーシンがソリストを務めた第4夜。気心の知れたヴラディーミル・アシュケナージの指揮でシドニー交響楽団とショパンのピアノ協奏曲第1番を披露しました。後半はアシュケナージ得意のラフマニノフの交響曲第2番を熱演。
ポーランド出身のピアニスト、クリスティアン・ツィメルマンが21〜22歳で録音したショパンのピアノ協奏曲全集。イタリア出身の指揮者カルロ・マリア・ジュリーニが指揮するロスフィルが歌心ある伴奏で、それに応えるかのように繊細で甘酸っぱいツィメルマンのピアノは、まさに青春。
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