90分のゆったりとした歩み〜シャイーのマーラー交響曲全集の大トリを飾った、コンセルトヘボウ管との交響曲第9番(2004年)

マーラー交響曲第9番 リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(2004年)

このアルバムの3つのポイント

マーラー交響曲第9番 リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(2004年)
マーラー交響曲第9番 リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(2004年)
  • リッカルド・シャイーのマーラー交響曲全集の大トリを飾った交響曲第9番
  • コンセルトヘボウ管を退任する節目の年の演奏
  • トータル90分のゆったりとした歩み

イタリア出身の指揮者、リッカルド・シャイーグスタフ・マーラーの交響曲全集をデッカ・レーベルで録音しています。1986年10月に当時首席指揮者を務めていたベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)と交響曲第10番クック補筆による4楽章版を録音して開始し、その後1988年9月からベルナルト・ハイティンクの後任としてロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任したことで、マーラーの交響曲全集も、第1番から第9番まではコンセルトヘボウ管と録音しました。1989年10月の交響曲第6番「悲劇的」から開始し、首席指揮者のポストを退任する年の2004年6月に交響曲第9番を録音し、ようやく全集を完成させました。

なお、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターになってからも映像作品でマーラーの交響曲全集を進めていましたが、第1番、第2番と第4番〜第9番を録音して最後の第3番を演奏する予定でしたが、退任コンサートで急病のためにシャイーは指揮できず、次期カペルマイスターを務めるアンドリス・ネルソンスが代理として第3番を指揮しています。ですので、シャイーとゲヴァントハウス管とのマーラー録音は交響曲選集となってしまいました。

首席指揮者として1988年からコンセルトヘボウ管と16年の歳月を共にしたシャイーが、「別れの曲」とも言われるマーラーの交響曲第9番を最後の年に演奏するのはとても印象的です。

演奏時間は第1楽章が30分32秒、第2楽章が16分56秒、第3楽章が14分02秒、第4楽章が28分27秒。トータルで89分57秒という長さで、CDだと2枚に分かれています。晩年のベルナルト・ハイティンクでも2011年のバイエルン放送交響楽団との録音でもCD1枚に収まっていますが、シャイーは比較的テンポが速い指揮者なのですが、この第9番についてはゆったりとしたテンポで一歩一歩踏みしめて歩いている、そんな演奏です。

第1楽章はまるで進むのをためらうかのように、押しては返すように遅々として進んでいかない心情が表れています。

シャイーはコンセルトヘボウ管と細部まで丁寧にハーモニーづくりをおこなっています。特に第3楽章ではゆったりとしているだけではなく、スケールも非常に大きく、打楽器やシンバルが力強くハマっています。

そして第4楽章は白眉の出来。ゆったりとした流れで、コンセルトヘボウ管から溶け合うかのような響きを生み出していますが、一つ一つの旋律が丁寧に丁寧に引き出されています。

リッカルド・シャイーとコンセルトヘボウ管弦楽団のマーラー録音で最も素晴らしい出来なのが、この大トリを飾った第9番。コンセルトヘボウ管の豪華なサウンドを活かして、個々のフレーズを丁寧に描いていったシャイーの手腕は見事でしょう。全曲90分で遅すぎると感じる方もいると思うので、オススメ度は一つ減らしておきます。

オススメ度

評価 :4/5。

指揮:リッカルド・シャイー
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:2004年6月14-18日, コンセルトヘボウ

iTunesで試聴可能。

特に無し。

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