オーストリア生まれでドイツを代表する指揮者、オトマール・スウィトナーはいぶし銀の指揮者として知られ日本でも人気がありました。シュターツカペレ・ベルリンと1980年代に完成させたベートーヴェンの交響曲全集は今でも聴き継がれています。1982年に録音された第九はオーソドックスで安心して聴ける1枚。
カール・ベームと言えば、ゆったりしたテンポで素朴な音楽が得意だと思っていませんか。今回紹介する1959年10月のベルリンフィルとのブラームスの交響曲第1番は、そんなベームのイメージを覆すような、引き締まった重厚感ある演奏を聴かせてくれます。ステレオ初期の録音で、音質も良好です。
リッカルド・シャイーはベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を振り分けてブルックナーの交響曲全集を完成させています。15年間に及び長期の企画でじっくりとブルックナーに向き合ったシャイーが美しさとまろやかさで新たな魅力を引き出しています。
鋼鉄のタッチと評された旧ソ連出身のピアニスト、エミール・ギレリス。1972年6月にオイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とブラームスのピアノ協奏曲2曲を録音しています。硬質のオーケストラのサウンドに、力強く硬いピアノが加わります。どこか不器用さもある硬派な演奏です。
ヘルベルト・フォン・カラヤンは意外にも同じオーストリア出身の作曲家フランツ・シューベルトの作品をあまり録音していません。1964年から68年に掛けてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と録音された交響曲第7番「未完成」と第8番「ザ・グレート」のセッション録音は、カラヤンらしくスタイリッシュにカッコよく演奏されています。
チェコ出身の名指揮者ラファエル・クーベリックは1966年から72年にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してドヴォルザークの交響曲全集を録音しました。第8番と9番はベルリンフィルの力強い演奏でノスタルジーにしない普遍的な演奏に仕上げています。
カルロ・マリア・ジュリーニはフィルハーモニア管弦楽団以来の2回目となるヴェルディのレクイエムの録音をベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と1989年におこないました。若手の歌手を起用して、ジュリーニ晩年のゆったりとしたカンタービレで圧倒的な演奏をおこなっています。
ドイツ出身のいぶし銀の指揮者オイゲン・ヨッフムは、ブルックナーの大家。1950年代から60年代にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とバイエルン放送交響楽団を振り分けて交響曲全集を完成させ、宗教音楽にも力を入れました。1965年6月&7月のベルリンフィルとの「テ・デウム」は大地の底からこだまするような力強さです。
今聴いてもすごい指揮者、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー。1951年にベルリンフィルを指揮して録音したシューベルトの交響曲「ザ・グレート」では、大胆なテンポの変化やメリハリのついた静から動への表現が見事です。古い録音なので音質は少し良くないですが、それ以上にフルトヴェングラーに驚かされた一枚でした。
最近のコメント