イタリア出身の指揮者ジュゼッペ・シノーポリは、イギリスのフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者時代に、マーラーの交響曲全集を完成させました。心理学を学んだシノーポリによる独自の解釈で、決して表面的な美しさやエキゾチックさだけではない新たなマーラー像を描いています。
ドイツ出身の指揮者クルト・ザンデルリングは1963年6月にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とブルックナーの交響曲第3番をセッション録音しています。晩年のゆったりとしたテンポの巨匠風のテイストが壮年期のこの演奏にも漂い、ゲヴァントハウス管を鳴らし切ってスケールの大きな演奏に仕上げています。フィナーレのコーダに圧倒されます。
ピアニスト福間洸太朗さんの新アルバムはスクリャービンとラフマニノフの作品にフォーカスした「幻想を求めて」。リサイタルでも勢力的に取り上げた飛翔するようなスクリャービンと沈むようなラフマニノフの対比がされています。相模湖交流センター、ラックスマン・ホールでの録音。
ヴラディーミル・アシュケナージはベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」ソナタを3回録音しています。最初の1967年に録音した演奏では、アシュケナージの若かりし頃の特徴であるクリスタルような輝きとシャープなキレが見事です。後のバランスの取れた新録音とは違ったテイストで聴き比べると興味深いです。
オーストリア生まれでドイツを代表する指揮者、オトマール・スウィトナーはいぶし銀の指揮者として知られ日本でも人気がありました。シュターツカペレ・ベルリンと1980年代に完成させたベートーヴェンの交響曲全集は今でも聴き継がれています。1982年に録音された第九はオーソドックスで安心して聴ける1枚。
ブルックナーを得意としたドイツ出身の指揮者ギュンター・ヴァントは、馴染み深い北ドイツ放送交響楽団だけでなく、最晩年にドイツのオーケストラに客演しました。2001年9月15日にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とのブルックナーの交響曲第8番は慈愛に満ちています。
ギュンター・ヴァントが最晩年の2000年4月〜5月に、慣れ親しんだ北ドイツ放送交響楽団とハンブルクのムジークハレ(現ライスハレ)でブルックナーの交響曲第8番を演奏しました。その録音は慈愛に満ちていて、ヴァントと北ドイツ放送響の集大成を感じさせてくれます。
ギュンター・ヴァントと北ドイツ放送交響楽団はシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭で1987年8月にブルックナーの交響曲第8番、88年6月に第9番をそれぞれライヴ録音しています。リューベック大聖堂の長めの残響で余韻に浸る演奏。ヴァントが描くブルックナーにもシャープさがあり、後年の再録音とは違う趣き。
1977年から79年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンの交響曲全集をライヴ録音で完成させたレナード・バーンスタイン。「英雄」(エロイカ)は1978年2月の演奏で、濃厚な響き。ゆったりとした葬送行進曲も印象的です。交響曲全集がレコード・アカデミー賞を受賞した名盤です。
イラン出身のピアニスト、ラミン・バーラミはJ.S.バッハのスペシャリスト。2009年5月には、リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とバッハのピアノ協奏曲5曲をライヴ録音しました。バッハゆかりのオーケストラをパートナーに得た熱い演奏。
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