東ドイツを代表する指揮者の一人クルト・ザンデルリングは当時は珍しくシベリウスに取り組んだ指揮者。交響曲全集はベルリン交響楽団との録音で、1970年から77年にかけてイエス・キリスト教会でのセッション録音。シンフォニックに響かせながらも初期の交響曲の英雄的な響かせ方や、後期交響曲での空気感のある侘び寂びが見事です。
旧ソ連でエフゲニー・ムラヴィンスキーのアシスタントも務めたクルト・ザンデルリングはショスタコーヴィチを得意としていて、ベルリン交響楽団と第1番、5番、6番、8番、10番と15番を録音しています。柔らかさと重厚さがありつつも第5番や10番では圧倒的な演奏。さすがです。
ベートーヴェンの交響曲の中でも人気のある第5番「運命」と第7番。クラシック音楽をこれから聴き始める方にもファーストチョイスとしておすすめしたいのが、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の1970年代の録音。スッキリとした洗練されたハーモニーが特徴的です。
1975年から2014年まで39年間を掛けて完成させたマウリツィオ・ポリーニのベートーヴェンのピアノソナタ全集。その中でも最初の1975年から77年に録音された後期ピアノソナタは、圧倒的なテンポとピアニズムで演奏史に残る金字塔を成し遂げたとも言える名演。英国グラモフォン賞の他ドイツとフランスでも受賞した名盤です。
ドイツ=オーストリア作品を得意とした指揮者カール・ベーム。特にウィーンフィルとのブルックナーの録音はどれもオーソドックスで素晴らしいです。第7番は1976年9月の録音で、ウィーンフィルの美音を活かして伸びやかで牧歌的な演奏をおこなっています。
サー・ゲオルグ・ショルティは意外にもチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を1回しか録音しませんでした。唯一の録音が1976年5月のシカゴ交響楽団との演奏。メディナ・テンプルでの凝縮された録音で、引き締まった辛口でシャープな世界観を表しています。
巨匠サー・ゲオルグ・ショルティがシカゴ交響楽団を指揮して1976年に録音したフランスの作品集。ラヴェルの「ボレロ」やドビュッシーの交響詩「海」など、持ち前の正確なリズムとシカゴ響のダイナミックさを活かして圧巻の演奏に仕上がっています。米国グラミー賞の技術賞を受賞しています。
カルロ・マリア・ジュリーニはシカゴ交響楽団を指揮して1976年4月にムソルグスキー(ラヴェル編曲)の組曲「展覧会の絵」を録音しています。全盛期のシカゴ響のスケール大きな演奏で、作家の百田尚樹氏が「至高の音楽」でオススメしていたレコーディングです。
チャイコフスキーを得意とした指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは、1975年から79年にかけて交響曲全集をベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と完成させました。70年代は、贅肉のない引き締まったギリシャ彫刻のような演奏をしていたカラヤンとベルリンフィル。チャイコフスキーの旋律をキリッと引き立てています。
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