ウィーン国立歌劇場の監督と対立し、1964年に芸術監督を辞任してから録音とザルツブルク音楽祭以外では共演しなくなったヘルベルト・フォン・カラヤンとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。1978年5月にカラヤンが久しぶりに指揮台に立ち、ブルックナーの交響曲第9番とテ・デウムを演奏します。映像作品をレビュー。
デンマーク出身の指揮者トーマス・ダウスゴーはノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲チクルスを進めています。第1弾となったのは第6番。突き進むような圧倒的な演奏で従来のこの曲のイメージを刷新。音楽之友社の名曲名盤500+100でこの曲の第1位となったアルバムです。
リッカルド・シャイーはベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を振り分けてブルックナーの交響曲全集を完成させています。15年間に及び長期の企画でじっくりとブルックナーに向き合ったシャイーが美しさとまろやかさで新たな魅力を引き出しています。
名ピアニスト、ヴラディーミル・アシュケナージはムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』の原曲版を2回録音しています。1967年6月の旧録では、ロシアらしい力強さや土臭さも感じる演奏。ビドロでの力強さや、アナログ時代の定評あるデッカの録音技術も聞き所です。
ブルックナーを得意としたカール・ベーム。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との一連の交響曲録音は評価が高いですが、その中でも交響曲第3番「ヴァーグナー」は1970年9月にデッカで録音されました。音響に定評のあるゾフィエンザールで、素朴で実直なブルックナーの姿を描いています。
1978年からロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督を務めたカルロ・マリア・ジュリーニ。最初のシーズンでベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を取り上げました。1960年に初めてレパートリーに入れて一度封印した「英雄」を1977年に再度学び直し、そしてロスフィルと録音に臨みました。しっかりとした骨格に歌心が溢れます。
ゲオルグ・ショルティはメンデルスゾーンの交響曲を1985年4月にシカゴ交響楽団を指揮してオーケストラ・ホールでセッション録音しました。第3番「スコットランド」と第4番「イタリア」とも速めのテンポで押し切り、辛口のキレのある演奏でシンフォニックに描いています。
リッカルド・ムーティは音楽監督を務めているシカゴ交響楽団を指揮して、2016年6月にブルックナーの交響曲第9番をライヴ録音しています。ムーティにとって初のブルックナーの録音で、シカゴ響の健康的なサウンドでブルックナーの大作を描いた、伸びやかな旋律を引き出したムーティ渾身の演奏です。
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