R.シュトラウスを得意としたサー・ゲオルグ・ショルティは、オペラや管弦楽曲を数多く録音しています。アルプス交響曲は意外にもバイエルン放送交響楽団との共演で、様々に変わる山の様子をドラマティックに表しています。バイエルン放送響を鳴らしきってガシガシと突き進む登山道にも注目です。
チェコ出身の名指揮者ラファエル・クーベリックは1966年から72年にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してドヴォルザークの交響曲全集を録音しました。第8番と9番はベルリンフィルの力強い演奏でノスタルジーにしない普遍的な演奏に仕上げています。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と良好な関係を築いたカール・シューリヒト。ブルックナーの交響曲第8番を1963年12月に録音しています。削ぎ落とされた質実剛健の響きで、ブルックナーの大作をありのままに描きます。ハース版第2稿をベースにしながらもシューリヒトならではのカットをおこなっているスコアにも注目です。
サー・ゲオルグ・ショルティはあまりドヴォルザークを録音してきませんでしたが、交響曲第9番「新世界より」を1983年1月に、70歳にして初めてレコーディングしました。シカゴ交響楽団の持ち前のパワフルさとショルティらしい劇的な表現が聴きどころです。
サイモン・ラトルは1993年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮台にデビューしました。演奏したのは異例ながらマーラーの大作、交響曲第9番。対向配置を取ろうとしてオーケストラと対立し演奏会がキャンセルになりかけたそうですが、大胆に伸び縮みをさせる音楽作りとウィーンフィルの柔らかな響きで新鮮な演奏に仕上がっています。
鋼鉄のタッチと評され、ベートーヴェンを得意とした旧ソ連出身のピアニスト、エミール・ギレリス。1968年4月と5月に晩年のジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録音し、ドイツ・レコード賞を受賞しています。ここでは『皇帝』を紹介します。
オランダ出身の指揮者ベルナルト・ハイティンクは交響曲の全集も多いですが、1980年代にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮して録音したシューマンの交響曲全集は、いぶし銀のコンセルトヘボウ・サウンドによる渋い演奏で、枯淡の味わいがあります。全集の決定盤とも評される録音です。
カール・ベームはベートーヴェンの第九交響曲を何度か録音していますが、1957年にウィーン交響楽団と録音したものはモノラル録音ながら溢れる熱気を伝えています。全体的に厳しく質実剛健という印象ですが第3楽章の慈愛に満ちた演奏はベームならではでしょう。
ゲオルグ・ショルティは最初のマーラーの交響曲全集をコンセルトヘボウ管、ロンドン響、シカゴ響を振り分けて完成させていますが、その中で第9番は1967年にロンドン響と演奏しました。ボルテージが高い演奏で全体的にエネルギーがみなぎっています。第4楽章の厚みのある美しさも見事です。
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