
明電舎presents N響名曲コンサート2025
時間が経ってしまいましたが、10月29日(水)にサントリーホールでNHK交響楽団を聴いてきました。
明電舎がスポンサーのN響名曲コンサート2025 (外部リンク)で、指揮は大友 直人。
プログラムは
- ドヴォルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
- シベリウス: 交響曲第2番 ニ長調 Op.43
- (アンコール) グリーグ: 2つの悲しい旋律 Op.34より第2番 『過ぎた春』
チェロの鳥羽 咲音 (とば さくら)はN響デビューでした。

気品あるドヴォルザーク
前半のドヴォルザークのチェロコンは鳥羽 咲音が気品ある緻密な演奏で魅了。まだ20歳という若さですが、座っていても存在感があって堂々とした演奏でした。スラヴっぽいこぶしの効いた演奏というよりは、洗練されて都会的なドヴォルザークといった感じ。
ただ、1ブロック目のS席で聴いていたのですが、音量がちょっと小さいなと。N響を生で聴いたのは15年以上ぶりで、今のN響ってこんなにコンパクトになったのかと思っていたら、後半で違うことに気付きました。チェロのソロに合わせてオケのスケールは抑えていたんですね。コンマスの第1ヴァイオリンとの掛け合いでも、室内楽的な一体感を感じました。
惜しみない拍手が贈られましたが、アンコール無しで休憩へ。
後半はシベリウス、アンコールでグリーグ
後半はシベリウスの交響曲第2番。ドヴォルザークのチェロコンと同じくこちらも名曲ですね。
前半とは別のオケかと思うぐらいにアンサンブルが力強くなっています。大友 直人のシベリウスは透明感よりもシンフォニックに聴かせるタイプ。北欧の指揮者だと透き通ったイントロも、少し濁って聴こえてきます。トランペットが群を抜いて力強く、一人だけアメリカのオケみたい。木管がおとなしかったり、3楽章最後のフルートの旋律が埋もれて4楽章に突入したり。4楽章のコーダへの推移は低弦の暗いテーマに覆われる曲想で早々に低弦が静かになって主旋律が勝ってしまったり、と交響曲の陽と陰の対比は私が持つイメージと違いましたが、こういうシベリウスは初めて聴きました。

アンコールはグリーグの『過ぎた春』。弦楽合奏曲なので弦以外のパートは待機でしたが、同じ北欧の作曲家つながりの作品で心が洗われました。
チェロ:鳥羽 咲音
指揮:大友 直人
NHK交響楽団
演奏:2025年10月29日, サントリーホール






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