
クラシックのコンサートをより楽しむためのコツ
寒い日が続きますね。年末が近付いて、第九の演奏会に行っている方も多いのではないでしょうか。私も今年は年間に8回演奏会に行ってきました。
もちろん演奏がメインではあるのですが、コンサートに行くときに私なりの注目ポイントがあるのでそれを共有したいと思います。
ホールの形
まず見ていただきたいのが、コンサートホールの形です。日本には音響の素晴らしいホールが多いですが、ホールごとに形が違っているんです。
大きく分けてヴィンヤード (ブドウ畑)型か、シューボックス (靴箱)型の2つがあります。
ヴィンヤード型
ヴィンヤード型は比較的新しいホールの作りですが、ステージをぐるっと囲むように客席があり、そして段々になっています。代表的なのは東京・赤坂にあるサントリーホール。クラシック音楽の殿堂とも言えるこの舞台は本当に音響が良いです。
そして川崎にあるミューザ川崎もヴィンヤード型ですね。海外ではドイツ・ベルリンのフィルハーモニー、同じくドイツ・ライプツィヒにあるゲヴァントハウスもヴィンヤード型です。


シューボックス型
一方で靴箱型と呼ばれるシューボックス。東京・新宿にある東京オペラシティ・コンサートホールが代表ですね。
海外でもアメリカ・ボストンのシンフォニーホール、オーストリア・ウィーンのウィーン楽友協会・大ホールなどシューボックス、そしてオランダ・アムステルダムのコンセルトヘボウなど音響の良いシューボックスのホールが多くあります。

オーケストラの配置
さらにオーケストラの演奏会だと注目したいのが、オーケストラの配置。
指揮者の立つ場所から左から順に第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、そして右手にチェロと並ぶのが近代の演奏会では多かったですが、近年では左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、そして右手に第2ヴァイオリン、というように指揮者を挟んで第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが向き合う「対向配置 (両翼配置)」か増えてきました。
作曲家が作曲したときには対向配置を意識して書いているとも言われ、ベートヴェンの交響曲第6番「田園」やマーラーの交響曲第9番など、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いが対向配置だと見事です。
楽器の増員、倍管
続いては少し応用編ですがオーケストラの楽器の数に注目してください。
演奏会が始まる前に、演奏される曲目をWikipedia などで調べると楽器構成が書かれていますので、スコアに指定されている木管や金管、打楽器などの人数が把握できます。
それに対して指揮者の意図で人数を増やしているケースがたまにあります。今年のウィーン・フィルの来日公演でもクリスティアン・ティーレマンがブルックナーの交響曲を演奏するのにティンパニや金管を増やしていましたね。ティーレマンはブルックナーでホルンを8→9人などに増員することが定番なのですが、ヘルベルト・カラヤンも晩年は「倍管」と呼ばれるように木管、金管の数を増やして演奏することもありました。
指揮棒
ーケストラの演奏会の場合は、指揮者がどんな指揮棒を使っているかも注目ポイントです。長い指揮棒を使う方もいれば、キリル・ペトレンコやヴァレリー・ゲルギエフのように短めの指揮棒を使うのも。あるいは指揮棒を使わないでハンドだけでやる指揮者もいます。普段指揮棒を使う指揮者でもモーツァルトなどの作品によってはハンドだけのときもあって、奥が深いです。
コンマス・首席奏者
そしてオーケストラの演奏会ではコンサートマスター、首席奏者が誰か、ですね。オーケストラにはコンマスの方と各楽器の首席指揮者が2人以上いるので、演奏会によってどちらが担当するか変わります。
ときにはコンマスレベルの方が2人も出てくるとか、首席奏者が2人顔を揃えているなんてときもあって、オケのファンをやっているとそれだけでもテンションが上ります。
以上、クラシック音楽のコンサートをより楽しむために、注目したいポイントを紹介しました。演奏会をより一層楽しむための参考になれば幸いです!






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