「冒険好きな保守派」のティーレマンとウィーンフィルの交響曲全集を聴き直して

ベートーヴェン交響曲全集 (DVD/Blue-ray) クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2008-2010年)

タワーレコードのC Majorレーベルの映像作品のセールがおこなわれていまして、私はクリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のベートーヴェンの交響曲全集のブルーレイを購入しました。

4枚入りで約7千円とかなりお買い得でした。

2009年と2010年のウィーンフィルとのベートーヴェンの交響曲全集、そしてシュターツカペレ・ドレスデンとのミサ・ソレムニスの映像が収録されているだけではなく、批評家のヨアヒム・カイザーとティーレマンとの対談があり、ここではティーレマンがどのように考えて交響曲を演奏していたかのプロセスを伺うことができます。

ベートーヴェン交響曲全集 (DVD/Blue-ray) クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2009-2010年)
ベートーヴェン交響曲全集 (DVD/Blue-ray) クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2009-2010年)

しかも、対談の中では、往年の名指揮者のベートーヴェン演奏の映像もちらっと流れます。

例えば、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーとウィーンフィルの1944年の演奏会や、カール・ベーム指揮ウィーン交響楽団の1966年の演奏会、ヘルベルト・フォン・カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との1971年のベートーヴェンの交響曲演奏の映像、レナード・バーンスタインとウィーンフィルの1978年の演奏、さらにはサー・ゲオルグ・ショルティ指揮ウィーンフィルの1991年の交響曲第7番の演奏会の映像も少し見れます。

何よりも良いと思ったのは、ティーレマンが交響曲の演奏でなぜここをテンポを落としたか、どのように考えて終楽章に向かっていったか、演奏会で最高のパフォーマンスを出すためにリハーサルではどのようなことに気をつけているかなど、ティーレマンの言葉で聞くことができます。

正直、ティーレマンとウィーンフィルのベートーヴェン交響曲全集をCDで聴いたとき、「古風なスタイルにとらわれた時代錯誤な演奏」と思って、あまり良い評価はできませんでした。

実際、このCDのオンラインショップでのレビューを見たり、ウィーンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集なのに著名な音楽賞を取れなかった事実を知ったりすることで、やはりあまり世間からの評価もそこまでだったのかなと考えています。

けど、私が何でブルーレイを買って聴き直しているかというと、2019年から始めたウィーンフィルとのブルックナーの交響曲のチクルスが素晴らしいからです。もしかして私の聴き方が良くなかったのかと思い、今改めてインタビューも全部見て9つの交響曲とミサ・ソレムニスを映像で聴き直しているところです。

ブルーレイの収録時間は交響曲が446分、ミサ曲が90分、ドキュメンタリーが510分でトータル17時間26分という大作です。これだけあると全て見てから記事にまとめるのはだいぶ先になりそうです。

先にお伝えしたかったこととして、このドキュメンタリーがかなり良いんです。今まで聴き方がマクロになりがちだったのですが、こうしてティーレマンの言葉を聞くことによってミクロのポイントも注意深く聴けるようになりました。

この記事のタイトルの「冒険好きな保守派」というのは、批評家のヨアヒム・カイザーがティーレマンのベートーヴェンを評した言葉です。古風な往年の指揮者のような演奏を目指しつつも、大胆にテンポを揺らしているところに「冒険好き」と言い表していました。

これで4枚で7千円はだいぶお得です。

【タワレコ】ティーレマン/ウィーンフィル ベートーヴェン: 交響曲全集、ミサ・ソレムニス Op.123(輸入盤 4 Blu-ray)

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