イタリア出身の指揮者ジュゼッペ・シノーポリは、イギリスのフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者時代に、マーラーの交響曲全集を完成させました。心理学を学んだシノーポリによる独自の解釈で、決して表面的な美しさやエキゾチックさだけではない新たなマーラー像を描いています。
イタリア出身の名指揮者ジュゼッペ・シノーポリは、シュターツカペレ・ドレスデンとブルックナーの交響曲に取り組みました。残念ながらシノーポリの急死によって全集にはならず6つの交響曲の選集となってしまいましたが、シノーポリならではの深い解釈とドレスデンの古豪の響きがする名演に仕上がっています。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を完成させているヴラディーミル・アシュケナージは、後期の3つのソナタを20年後の1991年に再録音しました。指揮者としての活躍が増え、旧録音よりもバランスが取れて高音域の繊細が見事。湧き上がる清流のような透明感がある演奏です。まるでロマン派を先取ったようなロマンチシズム。
リッカルド・シャイーはベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を振り分けてブルックナーの交響曲全集を完成させています。15年間に及び長期の企画でじっくりとブルックナーに向き合ったシャイーが美しさとまろやかさで新たな魅力を引き出しています。
指揮者サー・ゲオルグ・ショルティは、シカゴ交響楽団の音楽監督を退任する前からヨーロッパのオーケストラへの客演が増えます。1991年9月にはオランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団に客演し、ストラヴィンスキーの『春の祭典』をライヴ録音。1974年のシカゴ響以来の再録音となったショルティのハルサイ、スリリングです。
リッカルド・シャイーはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者時代、1991年5月にプロコフィエフの交響曲第3番を録音しています。シャイーにとっての現時点で唯一プロコフィエフで録音した交響曲で、10年ぶりの再録音。アヴァンギャルドな響きでカラフルなサウンドで描いています。
リッカルド・シャイーは首席指揮者を務めていたロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と1988年から91年にかけてシューマンの交響曲全集を録音しています。コンセルトヘボウ管のきらびやかなサウンドを活かし、フレッシュな演奏に仕上がっています。後のゲヴァントハウス管とのマーラー編曲版による全集とは違うテイストです。
クラウディオ・アバドはベルリンフィルと1988年から1991年にかけてブラームスの交響曲全集を完成させています。帝王ヘルベルト・フォン・カラヤン時代のオーケストラを引き継ぎ、新しい時代へと向かうアバドが、ベルリンフィルと情熱的で感情がほとばしるブラームスを聴かせてくれます。特に交響曲第4番は素晴らしいです。
マリス・ヤンソンスはオペラをほとんど指揮しませんでしたが、オスロ・フィルと1991年8月にヴァーグナーのオペラ作品を録音しています。1979年に首席指揮者に就任してから、オスロ・フィルを世界的レベルにまで高めたと言われているヤンソンス。そのヴァーグナーの演奏はどのようなものなのでしょうか。
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