2020年のベートーヴェンのアニバーサリーを終えて
2020年は作曲家ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの生誕250周年。コロナ禍でコンサートは中止や縮小になったものものも多くあり残念でしたが、アニバーサリーを期に今一度ベートーヴェンの音楽を聞き返した方も多いのではないでしょうか。
私も交響曲全集やらピアノソナタやら、今まで聴いたこともある録音も改めて聴いてみて、こちらの交響曲全集のオススメ紹介記事や第九のオススメ紹介記事を書きました。ベートーヴェンの音楽の力強さや人間の温かみを再認識するとともに、往年の演奏家のすごさや現在の演奏家の活力を感じたものでした。
今年のクラシック音楽界は
年末の記事で少し触れたように、今年2021年はリッカルド・ムーティのウィーンフィル、ニューイヤー・コンサートで幕を開けました。そしてコロナ禍で延期になったショパン国際コンクールが今年実施される予定ですし、往年の名指揮者、カール・ベームの没後40周年のアニバーサリーでもあります。
クラシック音楽は毎年何かしらイベントやらアニバーサリーがあるのですが、ショパン・コンクールがもし実施されれば今年の話題はそれ一色になりそうですね。
とは言え、充実しているのはブルックナー
そうと言っても、クラシック音楽のレコード業界を見ていると、今年特に充実しているのはブルックナーのように思えます。カール・ベームのブルックナーの交響曲第3番、第4番もタワーレコード限定で再リリースされましたし、ヴァレリー・ゲルギエフ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団と、クリスティアン・ティーレマン/シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナーの交響曲全集が映像作品としてリリースされます。
また、アンドリス・ネルソンス/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のブルックナー交響曲全集も架橋に入っていますし、ティーレマンは新たにウィーンフィルとのライヴ録音でブルックナーの交響曲全集を始めています。
ブルックナーのアニバーサリーは2024年の生誕200年なのですが、それを前にブルックナーの演奏、レコーディングが盛り上がってきました。
版に注目するとブルックナーの交響曲はもっと奥深い
私は家族がドン引きするほどクラシック音楽のCDを買い集めてきたので、引っ越しのときにCDだけで段ボールを5箱使ったので、「そのまま断捨離すれば?」と冷たいことも言われましたが、ブルックナーの交響曲についても、オイゲン・ヨッフム、カール・ベーム、ヘルベルト・フォン・カラヤン、サー・ゲオルグ・ショルティ、カルロ・マリア・ジュリーニ、クラウディオ・アバド、ベルナルト・ハイティンク、マリス・ヤンソンス、リッカルド・ムーティ、サー・サイモン・ラトル、リッカルド・シャイーなどなど、聴いてきた演奏もかなりの数になってきました。
ブルックナーは改訂癖があった作曲家なので、交響曲でも原典版とか第2稿とかあり、さらに校訂作業をおこなった人の名前にちなんでハース版とかノーヴァク版などがあります。Wikipediaにも「ブルックナーの版問題」というページがあるぐらいです。
恥ずかしながら、私はこれまでブルックナーの交響曲の録音を聴くときに、「これは〇〇版を使っているんだな」とか全く気にせずに聴いてきました。
ただ、今一度ブルックナーの演奏を聴き直していると、それぞれの指揮者によって交響曲の楽譜のチョイスが違うんですよね。同じ指揮者でも再録音するときには違う版を選んでいることもあって、確かに版が違うと楽器の出番や楽章の長さが変わってくるんですね。版に注目するとブルックナーの交響曲はより奥深くなる、そう気付いて私の中では今年はブルックナーの1年になりそうです。
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