ジルヴェスター・コンサートで湧かせたオルフ『カルミナ・ブラーナ』 ラトル/ベルリンフィル(2004年)

オルフ『カルミナ・ブラーナ』 サー・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2004年)

このアルバムの3つのポイント

オルフ『カルミナ・ブラーナ』 サー・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2004年)
オルフ『カルミナ・ブラーナ』 サー・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2004年)
  • 2004年末のラトル指揮ベルリンフィルの『カルミナ・ブラーナ』のライヴ録音
  • ラトルらしい躍動感、圧倒的なクライマックス
  • 溢れる音楽を奏でる喜び

カール・オルフの代表作、世俗カンタータ『カルミナ・ブラーナ』。カルミナ・ブラーナは19世紀初めに発見された詩歌集で、これに基づいてオルフが舞台形式のカンタータにしたのがこの曲です。1時間ぐらいの演奏時間を要する大作ですが、最初の「おお、運命の女神よ」はクラシック音楽を知らなくてもどこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

今年もあと1ヶ月となり、乾燥した冷たい空気にコーラスがよく響くシーズンになってきました。そろそろベートーヴェンの第九交響曲が聴きたくなりますが、私は第九は季節問わず聴いているので、最近はこの『カルミナ・ブラーナ』をよく聴いています。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の恒例行事と言えば、5月のヨーロッパ・コンサート、そして7月のヴァルトビューネ野外コンサート、そして年末のジルヴェスター・コンサートですね。

2002年にクラウディオ・アバドの後任としてベルリンフィルの首席指揮者に就いたサー・サイモン・ラトルは、その年のジルヴェスター・コンサートではバーンスタインの『ワンダフルタウン』、翌年はガーシュインの『ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイング・オン』とラヴェルの作品を取り上げ、従来の型にはまらないレパートリーを披露しました。しかし、2004年のジルヴェスター・コンサートでは、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第3番、カール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』、そしてヘンデルの『メサイア』より「ハレルヤ」を演奏し、ドイツの作曲家にシフトしてきました。

2004年のヨーロッパ・コンサートでも、ギリシャのアテネの屋外演奏場で、ラトルが指揮を取り、ブラームスのピアノ協奏曲第1番(ピアノ独奏はダニエル・バレンボイム)、そして後半がブラームスのピアノ四重奏曲第1番(シェーンベルクが管弦楽曲用に編曲したもの)というプログラムで、いかにもドイツというレパートリーでした。

この2004年末に演奏されたラトルとベルリンフィルの『カルミナ・ブラーナ』がEMIレーベル(現ワーナークラシックス)からCDがリリースされています。また、映像作品を扱うEuroArtsから12月31日にジルヴェスター・コンサートの映像がBlu-rayでもリリースされています。CDでは12月29日〜31日の音源ですが、映像では31日だけ。私はCDだけしか持っていないので映像と聴き比べてはいないのですが、CDだと複数日の演奏会の音源がミックスされているのでしょうか。

約1時間の演奏ですが、全曲を通じて言えるのは、ラトルらしい躍動感。冒頭からパーンっとティンパニが炸裂しますが、重々しくせずにこれから始まるドラマを予感させるようです。そしてコーラスが囁くような最弱音で歌い、溜めを効かせた後、一気にオーケストラのトゥッティを炸裂させます。

第2曲「運命の女神の痛手を」や第3曲「春の愉しい面ざしが」でも静と動の対比を鮮やかに描いています。極端に思えるぐらいがラトルらしいとも言えます。

年末のを締めくくる一大イベントということもあるでしょうが、オーケストラの演奏者や声楽、合唱の皆が音楽をを作る喜びに溢れた、そんな印象すらします。

そして最後に冒頭の「おお、運命の女神よ」が最大級の音量で始まり、圧倒的なクライマックスで幕を閉じるのですが、さすがラトルと言いたくなる躍動感です。

2004年の年末を湧かせたサイモン・ラトルとベルリンフィルの『カルミナ・ブラーナ』。ラトルらしい弾むような躍動感がある演奏で、音楽の喜びに溢れた演奏でしょう。

オススメ度

評価 :4/5。

ソプラノ:サリー・マシューズ
テノール:ローレンス・ブラウンリー
バス:クリスティアン・ゲルハーヘル
指揮:サー・サイモン・ラトル
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン放送合唱団
ベルリン国立大聖堂児童合唱団
録音:2004年12月29ー31日, ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)

iTunesで試聴可能。

また、EuroArtsの公式YouTubeから動画を視聴可能。

特に無し。

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