ギュンター・ヴァントと北ドイツ放送交響楽団はシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭で1987年8月にブルックナーの交響曲第8番、88年6月に第9番をそれぞれライヴ録音しています。リューベック大聖堂の長めの残響で余韻に浸る演奏。ヴァントが描くブルックナーにもシャープさがあり、後年の再録音とは違う趣き。
ドイツ出身の指揮者で、ブルックナーを得意としたのがギュンター・ヴァント。ライヴ録音や死後にリリースされたものも含めて何種類もレコーディングがありますが、そのどれもが一味違う演奏。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団や北ドイツ放送交響楽団など、ヴァントのブルックナーの魅力を語ります。
ドイツを代表する指揮者ギュンター・ヴァントは、ブルックナーを得意としていました。晩年に名声を得たヴァントはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とも客演し、2001年1月の演奏会ではブルックナーの交響曲第8番を演奏。慈愛があって壮大なブルックナーの世界観です。
リッカルド・シャイーはベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を振り分けてブルックナーの交響曲全集を完成させています。15年間に及び長期の企画でじっくりとブルックナーに向き合ったシャイーが美しさとまろやかさで新たな魅力を引き出しています。
ブルックナーの200周年のアニバーサリーに向けてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と交響曲全集を取り組んでいるクリスティアン・ティーレマン。2019年2月の交響曲第2番のライヴ録音がCDと映像作品でリリースされています。懐古主義とも言われるティーレマンが選んだのは意外にもキャラガン版の第2稿。
ブルックナーを得意としたカール・ベーム。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との一連の交響曲録音は評価が高いですが、その中でも交響曲第3番「ヴァーグナー」は1970年9月にデッカで録音されました。音響に定評のあるゾフィエンザールで、素朴で実直なブルックナーの姿を描いています。
ルーマニア出身で個性的な指揮者セルジュ・チェリビダッケ。最晩年の1995年9月にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲第9番をライヴ録音しています。全曲で76分50秒という遅さでじっくりと描いたブルックナーの未完の最後のシンフォニー。長時間露光した星空の写真のように、チェリビダッケが描いた軌跡とは。
セルジュ・チェリビダッケが最も得意とした作曲家がブルックナー。第8番についても録音がいくつかありますが、晩年の1993年9月のミュンヘンでのライヴ録音は極めつけの遅さ。これでもかというほどブルックナーの音を丹念に描いた個性的な演奏です。オランダのエジソン賞受賞盤。
オランダ出身の名指揮者ベルナルト・ハイティンクはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲全集に取り掛かります。結局選集で終わってしまいましたが、第1弾は交響曲第4番「ロマンティック」。ハイティンクらしい自然体の境地で、ウィーンの音色を引き出しています。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲全集を始め、結果として未完で終わったしまった指揮者ベルナルト・ハイティンク。しかし録音は説得力の高い演奏で、1988年12月の交響曲第3番「ヴァーグナー」はオランダのエジソン賞を受賞。ウィーンの美音によるハツラツとしていて、初演で失敗した第2稿を使った演奏です。
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