書籍に合うクラシック音楽を紹介する第6弾
書籍と一緒に聴くのに相性が良いクラシック音楽を紹介するシリーズ、早くも第6弾となりました。
前回はフランソワーズ・サガンの『ブラームスはお好き』を取り上げましたが、今回も外国の作家、アーネスト・ヘミングウェイの作品です。
ずばり、『老人と海』と、チャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』の組み合わせ。
『老人と海』はヘミングウェイの生前最後のベストセラーの長編小説ですし、『悲愴』はチャイコフスキーが完成させた最後の交響曲。

老人が大物のカジキマグロを釣り、港に戻るまでに
『老人と海』はその名の通り老人の漁師サンチャゴが主人公。漁に出るも84日間も釣れない日が続き、一緒についてきてくれた少年も別の船へと移ってしまいます。しかしある日、小舟よりも大きなカジキマグロが餌にかかり、死闘の末仕留めるのですが、小舟に縛り付けて港に戻るまでに、何度もサメに襲われ、帰港したときにはカジキマグロは残骸だけになってしまいます。
カジキマグロとの死闘、そして自分がカジキマグロを釣らなければカジキマグロを襲うサメを殺す必要もなかったのに、と老人の心境の変化、さらには骨しか残らなかったものの大物を釣った証を見た村の民から尊敬を集めます。老人の目から見た世界がヘミングウェイの筆でリアルに描かれています。
ヘミングウェイと言えば乃木坂46?
ヘミングウェイと言えば、乃木坂46ですよね。
7枚目シングルの『バレッタ』でこんな歌詞があります。「図書室の窓際で 女子たちが声潜め 会議中 ヘミングウェイを読みながら 僕はチラ見した」
そして24枚目シングルに収録されている四期生の曲『図書室の君へ』では「ヘミングウェイなんて 読んだこともなかった 活字嫌いの僕なのに なぜかここに座っている」、「ヘミングウェイ読んで ほんの少しわかった 君と僕の性格はそう全く違うってこと」、「ヘミングウェイなんて 読んだこともなかった 活字嫌いの僕なのに なぜかここに座っている」と3回も歌詞に出てきます。
また40枚目シングルにカップリングされている六期生の曲『市営ダンスホール』では、「誰が忘れて行ったのか? ベンチの上のヘミングウェイ 待たされてるその間に 一人で読んでいたのだろう」とあります。
チャイコフスキー『悲愴』をペトレンコ&ベルリンフィルで
とは言え、ここはクラシック音楽のブログ。クラシックの曲で相性の良いものを紹介しましょう。
それが、チャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』です。それもキリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の2017年3月のライヴ録音が良いでしょう。
老人は決して生を諦めていません。カジキマグロを釣り上げるときには本当に生きるか死ぬかの激しい戦いを経て、そしてそれを狙うサメとの死闘を数回繰り返します。
ペトレンコによる『悲愴』は諦めのような冒頭、そして爆発するかのような激しい感情のぶつかり合いがあり、まさにこうした老人の描写と合います。第4楽章での悲痛さは、サメに何度も襲われ身がなくなってしまったカジキマグロの骨を持って変える虚しさにも合いますし、自分が大物を釣らなかったらサメも無駄に命を落とすこともなかった、という自省にも合います。
Apple Music で試聴ができます。
晩年の傑作 ✕ 晩年の傑作。色々考えてしまいますね。
過去のアーカイブ
これまでの本とクラシック音楽の投稿はこちら。次回もお楽しみに。
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