Twitterでツイートしましたが、ロシアがウクライナを侵攻したことにより、ロシア出身の指揮者にも影響を与えています。

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めていたヴァレリー・ゲルギエフは、映像でのブルックナーの交響曲全集が2021年度のレコード・アカデミー賞の特別部門 ビデオ・ディスク「コンサート&ドキュメンタリー」部門を受賞するなど、高い評価を受けていましたが、プーチン大統領と親交が深いということで、ミュンヘンフィルを解任されてしまいました。

Wikipediaによると詳しい事情は以下のとおりです。

ロシアのウクライナ侵攻について「明確に、無条件に距離を置くように」などと反対の意を明確に表明するよう求められた(ゲルギエフはロシア大統領であるウラジミール・プーチンと親交があるとされる)ものの、この要請に対して沈黙した。これを受けて2022年3月1日(JST)、ゲルギエフはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を解雇された。

Wikipedia「ヴァレリー・ゲルギエフ」より

他にも、朝日新聞によると、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が米国ニューヨークのカーネギーホールに演奏旅行中だったのですが、2022年2月25日からの公演の指揮をゲルギエフが務める予定だったのを前日になって急遽降板させています。記事ではカナダ人の指揮者に交代すると書いてありましたが、ウィーンフィルのHPを見ると、ヤニック・ネゼ=セガンが代役を務めたそうです。

ウィーンフィルの2022年2月のカーネギーホール公演の情報
ウィーンフィルの2022年2月のカーネギーホール公演の情報
【ウィーンフィル公式】Concert in New Yorkより

こちらの記事で2020年のクラシック音楽を振り返ったとき、ウィーンフィルの来日公演2020でゲルギエフが指揮を務めたことを書きましたし、他にも現在の指揮者の中で最も世界から厚い信頼を得ている一人がゲルギエフですし、ワールド・オーケストラ・フォア・ピースの指揮者を務めて平和への想いは人一倍強い方だと思いますので、事態が好転することを願うばかりです。

歌劇「シモン・ボッカネグラ」を指揮するヴァレリー・ゲルギエフ(2019年)
歌劇「シモン・ボッカネグラ」を指揮するヴァレリー・ゲルギエフ(2019年)
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