このアルバムの3つのポイント
- 20世紀を代表するカール・ベームが盟友ウィーンフィルと演奏したブルックナー
- 素朴で、牧歌的で、厳かで。この曲の持つ魅力を最大限引き出した演奏
- 柔らかで、ゆったりしたウィーンフィルの響き
カール・ベームが指揮したブルックナーは一聴に値する
20世紀を代表する指揮者の一人、カール・ベーム。オーストリア出身でモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーなどのドイツ・オーストリア音楽を得意とし、ウィーンフィルやべルリンフィルなどと数々の名演をおこないました。
ブルックナーの録音はそれほど多く残してはいないのですが、ウィーンフィルとのコンビによる第3番「ヴァーグナー」、第4番「ロマンティック」、第7番、第8番はどれも名盤として愛聴している方も多いでしょう。
中でも今回紹介する第4番はとりわけ優れた演奏だと思います。
素朴で、牧歌的で、厳かで
第1楽章の冒頭の旋律から心地よく、作品の世界に入り込んでしまいます。
弦楽器だけではなく、木管も金管も柔らかく豊かな響きを生み出すオーケストラ(ウィーンフィル)だからこそできる音色です。
ベームはモーツァルトも得意としていましたが、音がシンプルで素朴なほどオーソドックスで楽譜に忠実なベームのアプローチが活きてくるように思えます。
ただ、この演奏は甘ったるいだけでは終わりません。第2楽章のクライマックスでは、雷のようなティンパニの強打にはハッとされますし、第3楽章のスケルツォでも金管がピリッと少し硬めの音になります。
第4楽章のイントロのラストでも、金管のファンファーレが厳かで壮大に演奏されるのですが、キンキンしてうるさすぎるということはなく、大音量でも角が丸くてまろやかになっています。
まとめ
1973年11月の録音で、かなりの年月が経ってしまいましたが、未だに何度も復刻版が出るほどの人気のレコーディング。ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」は私も色々な演奏家の演奏を聴いてきましたが、このベーム指揮ウィーンフィルの演奏が一番オススメだと思います。
オススメ度
指揮:カール・ベーム
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1973年11月, ゾフィエンザール
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試聴
iTunesで試聴可能。
受賞
1974年度の日本のレコード・アカデミー賞「交響曲部門」及び大賞を受賞。
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