マスカーニ 歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ミラノ・スカラ座(1965年)
マスカーニ 歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ミラノ・スカラ座(1965年)
  • マスカーニの代表作『カヴァレリア・ルスティカーナ』をカラヤンとスカラ座で聴く贅沢
  • カラヤンが追求した極限の美しさ
  • 有名な間奏曲も素晴らしいの一言

このところ、ブルックナーとベートーヴェンの交響曲全集をひたすら聴いていたので、シリアスでさすがにレビューを書くのもしんどくなってきました。こういうときは気分を変えてイタリア・オペラの軽やかで美しい音楽を聴きたいと思います。今日は「カヴァレリア・ルスティカーナ」を紹介します。

ピエトロ・マスカーニという作曲家をご存知でしょうか。1863年生まれのイタリアオペラの作曲家で、1945年に逝去されています。歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』を作曲した方です。

『カヴァレリア・ルスティカーナ』なんて曲、知らないよ、って方でも、このYouTubeの曲は聴いたことがありませんか?

こちらの動画では、『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲だけを演奏したものです。

結婚披露宴の新郎新婦入場のときに使われたり、ブリヂストンやミスタードーナツのCMのBGMにも使われたりした曲なので、曲名は知らなくてもどこかで聴いたことがあると思います。

20世紀を代表する指揮者の一人、ヘルベルト・フォン・カラヤンは1950年代前半からイタリアの名門歌劇場であるミラノ・スカラ座のドイツ・オペラ主任として、モーツァルトやヴァーグナー、R.シュトラウスのオペラを指揮していました。ドイツ作品に留まらず、カラヤンはイタリアのオペラも指揮しましたが、ソプラノ歌手のミレッラ・フレーニとのコンビで1964年12月に上演したヴェルディの『椿姫』は失敗に終わってしまいました。そして1992年まで、スカラ座で『椿姫』が上演されることは無かったのです。これはマリア・カラスが以前におこなったスカラ座での『椿姫』が史上最大の成功を収めていたことから「マリア・カラスの呪い」と言われています。

そしてその翌年の1965年9月と10月に録音したのが、今回紹介するマスカーニ作曲の歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』と、レオンカヴァッロ作曲の歌劇『道化師』。セッション録音なのでじっくりと作品に取り組み、細部まで完璧です。カラヤンは指揮者のキャリアも長く、レコーディングの数も膨大ですが、私が気に入ってよく聴いている演奏はウィーンフィルとの『ペール・ギュント』や『白鳥の湖』など、1960年代の録音が多いです。後に「カラヤン美学」と評されますが、この時代のカラヤンの指揮は美しさはもちろん、クセが無くてとても聴きやすいんです。

さてこの『カヴァレリア・ルスティカーナ』ですが、素晴らしいの一言です。これ以上に表す言葉が見つからないほど、とにかく美しい。さすがイタリアの名門歌劇場のミラノ・スカラ座ですね。歌手も良いです。

有名な間奏曲は本当にうっとりするほど美しくて、どんなに疲れていてもこれを聴くと癒やされます。

カラヤンとミラノ・スカラ座の代表的な録音の『カヴァレリア・ルスティカーナ』。とにかく美しくて、とにかく素晴らしいです。

オススメ度

評価 :5/5。

サントゥッツァ役(メゾ・ソプラノ):フィオレンツァ・コッソット
トゥリッドゥ役(テノール):カルロ・ベルゴンツィ
ルチア役(アルト):マリアグラツィア・アレグリ
アルフィオ役(バリトン):ジャンジャコモ・グェルフィ
ローラ役(メゾ・ソプラノ):アドリアーネ・マルティーノ
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
ミラノ・スカラ座合唱団
録音:1965年9月, 10月, ミラノ・スカラ座

iTunesで試聴可能。また、YouTubeでオープンライセンスの日本語翻訳付きの動画もあります。なぜか翻訳が鹿児島弁ですが。。。

特に無し。

Tags

コメントはまだありません。この記事の最初のコメントを付けてみませんか?

コメントを書く

Twitterタイムライン
カテゴリー
タグ
1976年 (21) 1977年 (16) 1978年 (19) 1979年 (14) 1985年 (14) 1987年 (17) 1988年 (15) 1989年 (14) 2019年 (21) アンドリス・ネルソンス (22) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (85) ウィーン楽友協会・大ホール (59) エジソン賞 (19) オススメ度2 (14) オススメ度3 (80) オススメ度4 (120) オススメ度5 (155) カルロ・マリア・ジュリーニ (28) カール・ベーム (28) キングズウェイ・ホール (15) クラウディオ・アバド (24) クリスティアン・ティーレマン (18) グラミー賞 (29) コンセルトヘボウ (37) サー・ゲオルグ・ショルティ (55) サー・サイモン・ラトル (22) シカゴ・オーケストラ・ホール (23) シカゴ・メディナ・テンプル (16) シカゴ交響楽団 (53) バイエルン放送交響楽団 (35) フィルハーモニー・ガスタイク (16) ヘラクレス・ザール (21) ヘルベルト・フォン・カラヤン (33) ベルナルト・ハイティンク (38) ベルリン・イエス・キリスト教会 (22) ベルリン・フィルハーモニー (33) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (67) マウリツィオ・ポリーニ (17) マリス・ヤンソンス (43) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 (18) リッカルド・シャイー (21) レコードアカデミー賞 (26) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 (45) ロンドン交響楽団 (14) ヴラディーミル・アシュケナージ (28)
Categories