このアルバムの3つのポイント
- アバドが得意としたマーラーの交響曲第5番
- ベルリンフィルとのライヴ録音
- ほとばしる情熱と知的な解釈
アバド2回目のマーラーの交響曲第5番の録音
指揮者のクラウディオ・アバドはマーラーを得意としていました。第5番については1980年にシカゴ交響楽団と、1993年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とそれぞれレコーディングをおこない、2004年にはルツェルン祝祭管弦楽団とのライヴ映像もあります。
私自身はルツェルン祝祭管とのマーラーはアバドがたどり着いた境地のような気がして、全て素晴らしい演奏ですが、中でも第5番はアバドならではの情熱がほとばしりながらも、奥深い響きで魅了してくれた名演奏だと思っています。
それではベルリンフィルとの1993年の録音はどうだったのでしょうか。私は「クラウディオ・アバド シンフォニー・エディション」でこのCDを聴いていますが、演奏時期の記載が2005年5月と書いてありますが、これは誤記のようで、1993年の録音のようです。
ベルリンフィルとのライヴ録音で、『モルゲンポスト』から「クールな頭脳と熱い心のマーラー」と評されています。
アバドならではの情熱
アバドの演奏はほとばしる熱さが特徴的。このマーラーの交響曲第5番は冒頭のトランペットのファンファーレこそ静かに始まりますが、その後は吠えるようにオーケストラが一気に加勢します。この交響曲はアバドが最も得意とした作品だと考えていますが、これほどほとばしる熱さはアバドならでは。
しかし、ただ情熱的なだけではなく、アバドの知的さも感じます。緩急自在にダイナミックに富んだ演奏ですね。
粗さもある演奏で音質もこもる
ただこの演奏はライヴ録音ということもあり、粗さも目立ちます。ベルリンフィルにしては珍しくミスっている箇所もあります。
また、音質もお世辞には良いとは言えません。デジタル録音なのですが、クリアには聴こえず、音がこもってしまっています。私はアバドのマーラーの交響曲第5番を聴くならルツェルン祝祭管との映像で見るのをオススメしたいです。
まとめ
クラウディオ・アバドがベルリンフィルとの演奏会で録音したマーラーの交響曲第5番。ほとばしる情熱とクールな知性を感じます。
オススメ度
指揮:クラウディオ・アバド
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1993年11月, ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)
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廃盤のため無し。
試聴
iTunesで試聴可能。
受賞
特に無し。
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