タワレコが蘇らせたスウィトナーのブルックナー
今日紹介するのはオーストリア出身で東ドイツで活躍した指揮者オトマール・スウィトナー(1922~2010年)のアルバム。
スウィトナーはキャリアの最晩年の時期にあたる1986年からシュターツカペレ・ベルリン (SKB)とブルックナーの交響曲全集を目指して録音が始まりましたが、第1番、4番、5番、7番、8番の5曲を遺して1990年に体調不良により指揮を事実上引退してしまいます。
ベルリン・クラシックスの原盤をタワーレコードが2024年にリマスタリングして2つのアルバムに分けてリリースしました。このブログでも第7番と第1番を紹介しています。
今回紹介するのは、ブルックナー録音集で最初に録音されたが第8番。1986年8月のセッション録音で、場所はベルリンにあるイエス・キリスト教会です。ハース版第2稿を使用し、第3楽章ではノーヴァク版でカットされた、漂うようなフレーズが含まれています。
輝くようなSKBの音色
ブルックナーは知的な解釈によるアプローチも多いですが、スウィトナーは純音楽として捉えているように思えます。ハース版ではゆったりしすぎたテンポで弛緩する演奏家のものもありますが、スウィトナーはそうしたテンポの伸び縮みはしません。ちなみに演奏時間は第1楽章が15:37、第2楽章が14:50、第3楽章が26:55、第4楽章が23:01でトータル80分ほどです。
第1楽章を聴いてまず思ったのは、輝くような音色。SKB はダニエル・バレンボイム→クリスティアン・ティーレマンを経て「ドイツらしい」重厚な響きと変わってきましたが、スウィトナーとの時代には明るい音色が特徴。ハ短調の作品ですが、スウィトナーは金管の響きで弦を包むように、光輝くような姿を描いていきます。
第2楽章ではスケルツォの1:17あたりでトランペットが滑ったり、10:58でミスタッチしたりしていますが、セッション録音でも完璧さよりも音楽の流れを重視したように感じます。
そして第3楽章ではハース版ならではの漂うようなフレーズが見事です。第4楽章では小気味いいリズムで大団円を作り上げます。明るい金管にティンパニがシャープに刺さり、イエス・キリスト教会のやや長めの残響によって広がっていきます。
スウィトナーとSKB によるブルックナー録音の第1弾にして大作である第8番、しかもハース版で演奏する醍醐味。スウィトナー最晩年ながら若さすら感じるブルックナーに往年のSKB の明るい響きで聴けるアルバムです。
オススメ度
指揮:オトマール・スウィトナー
シュターツカペレ・ベルリン
録音:1986年8月22-29日, ベルリン・イエス・キリスト教会
スポンサーリンク
試聴
特に無し。
受賞
特に無し。







コメントはまだありません。この記事の最初のコメントを付けてみませんか?