録音が悪くてそのままにしていたベームの録音集

今日は指揮者カール・ベーム (1894-1981年)の戦前のブル7の録音を紹介します。

2011年はベームの没後30周年で、格安レーベルのMembran (メンブラン)から面白いCD BOX がリリースされました。著作権保護期間が切れた音源を廉価盤として提供するDocuments シリーズのKarl Bohm (10-CD Wallet Box)。1930年代から50年代にかけてのベームの録音が10枚入りで2千円ほどというバナナの叩き売り状態で、タワーレコードの店舗だと1500円ほどだったので私も購入したのですが、古い録音なので仕方ないのですが、音質はそれほど良くありません。

このブログの前身であるFC2ブログでちらっと紹介しましたが、10枚のうち2枚だけ紹介しましたが、あとは眠らせてしまいました。

カール・ベームの若かりし頃の録音集
カール・ベームの録音集 Karl Bohm (10-CD Wallet Box)

1944年のシュターツカペレ・ドレスデンとのブル7

ベームの録音が好き、という方も多いでしょうが、大体は1950年代以降の録音。1959年の重厚なベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とのブラームスの交響曲第1番 (紹介記事)だって、ベームは御年65歳。名盤と言われるバイロイト音楽祭の『トリスタンとイゾルデ』のライヴ録音 (紹介記事)も1966年で71歳のとき。70年代のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのベートーヴェンやブラームスは80歳近いときのもの。そう、私たちが聴いているベームは、老ベーム。若かりし頃のベームを知らないでベーム好きと名乗っているのが私も含めてかなり多いはず。

そんな中、1944年のシュターツカペレ・ドレスデン (SKD)とのブルックナーの交響曲第7番の録音を聴いてみます。ベームは1934年から43年までSKD の音楽総監督に就いていたときもありましたが、こちらはSKD を退任した翌年のもの。CD にはブックレットは無く、紙ジャケットに録音1944年とあるだけ何月なのかとか、録音場所とかの詳細も書かれていません。

これがベームとは思えないほどの激しさを見せます。1944年にしては音質が良くて、特にオーボエの音がくっきり聴こえます。

第1楽章は後の再録音と同じようにチェロによる第1主題提示がメゾフォルテの指示どおりではなくフォルテで力強く演奏させ、第1ヴァイオリンによる官能的な美しさで覆います。第2主題はruhig (静かに、穏やかに)とは逆で、ホルンとトランペットが急ぎ足のリズムを刻んでオーボエとクラリネットがしなやかに奏でます。第3主題前のpoco a poco crescendo (だんだん力強く) でも、神輿のワッショイワッショイの掛け声のように、ものすごく勇ましいです。教科書通りと言われた晩年のセッション録音とは違って、まさに音楽が生きています。そして第1楽章のフィナーレでも猛々しく突入するかのように幕を閉じ、続く第2楽章の主要主題が熱を冷ますかのように穏やか。

客観的で一歩引いたように目線で指揮していた後の演奏とはまるで違う世界がこのブル7にはあります。ベーム好きなのにベームを全然知らなかったと痛感したアルバムでした。

オススメ度

評価 :3/5。

指揮: カール・ベーム
シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1944年

廃盤のため無し。

Apple Music で試聴可能。

特に無し。

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