どのクラシック音楽の録音を聴けば良いの?
これからクラシック音楽を聴いてみようと思っても、クラシック音楽の録音はあまりにも膨大にあります。同じ曲でも色んな演奏家が録音していますし、中には何回も録音している演奏家もいるので、どれから聴けば良いのか迷われる方は多いと思います。その手助けになればと思って、このWebサイトを開設しましたが、今回は「どんな名指揮者がいるのか、そしてどれから聴けば良いのか」をまとめたいと思います。
名指揮者と呼ばれる指揮者も古今東西、数多くいらっしゃいますので、特徴もざっくりと、オススメの録音も一つだけに絞って紹介していきます。
量が多いですので、先に公開して中身を徐々に書いていきます。
歴代の指揮者編
カール・ベーム (1894年-1981年)
カール・ベームってどんな指揮者?
カール・ベームは20世紀を代表する指揮者の一人で、特にモーツァルト、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームスなどのドイツ・オーストリア音楽を得意としていました。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やウィーン・フィルハーモニー管弦楽団などのヨーロッパの名門オーケストラの演奏が多く、日本でも1975年のウィーンフィルとの来日公演で大フィーバーを巻き起こしました。楽譜に厳密で、モーツァルトの休符もきっちり守っています。
カール・ベームのオススメの録音は?
カール・ベームの録音は数多いですが、私がオススメするのは、1973年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と録音したブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」です。ウィーンフィルの美音を活かして本当にのどかな演奏をおこなっています。
オイゲン・ヨッフム (1902年-1987年)
オイゲン・ヨッフムってどんな指揮者?
オイゲン・ヨッフムのオススメの録音は?
ヘルベルト・フォン・カラヤン (1908年-1989年)
ヘルベルト・フォン・カラヤンってどんな指揮者?
ヘルベルト・フォン・カラヤンはもはや説明不要の名指揮者でしょう。クラシック音楽に詳しくない方でも、カラヤンの名前は聞いたことがあるという方も多いと思います。1908年にオーストリアのザルツブルク生まれのカラヤンは、1955年から1989年の長期間にわたってベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督を務めた他、ウィーン国立歌劇場の総監督、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名誉指揮者などなど、多くの主要なポジションを歴任しました。20世紀を代表する名指揮者です。
演奏スタイルはとてもスタイリッシュで、「カラヤン美学」と評された美しさへのこだわり、そして特にベルリンフィルとの機能性を活かした指揮を特徴としています。
ヘルベルト・フォン・カラヤンのオススメの録音は?
カラヤンのレコーディングは本当に膨大ですので、その中からオススメを1枚だけ紹介するのは至難の業です。ただ、
ゲオルグ・ショルティ (1912年-1997年)
ゲオルグ・ショルティってどんな指揮者?
ゲオルグ・ショルティのオススメの録音は?
カルロ・マリア・ジュリーニ (1914年-2005年)
カルロ・マリア・ジュリーニってどんな指揮者?
イタリア出身の指揮者で、ミラノ・スカラ座の音楽監督、ロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督などを歴任。1980年代後半からは、夫人の病気のためにヨーロッパでの活動だけに制限し、ウィーンフィル、ベルリンフィル、コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響などの名門オーケストラに客演し名演を行いました。
カルロ・マリア・ジュリーニのオススメの録音は?
カルロ・マリア・ジュリーニのオススメの録音も数多くありますが、ここでは一つだけということで、1976年にシカゴ交響楽団と録音したマーラーの交響曲第9番を紹介します。世界各国の音楽賞を受賞した名盤で、マーラーの作品から毒気を取り除き、純粋な美しさを持つ音楽として表現しています。特に第4楽章のあの美しさときたら。
ラファエル・クーベリック (1914年-1996年)
レナード・バーンスタイン (1918年-1990年)
レナード・バーンスタインってどんな指揮者?
レナード・バーンスタインはアメリカ出身の指揮者、ピアニスト、作曲家で、20世紀を代表する音楽家の一人です。アメリカで音楽教育を受け、1958年にニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任し、1969年まで務めた後はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ニューヨークフィル、シカゴ交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団など世界のオーケストラに客演をおこなってきました。特に1970年代後半からウィーンフィルとは蜜月関係を築き、多くの演奏、録音を遺しています。演奏スタイルとしては没頭型で、作品を自分の音楽のように表現するので、ドロドロとしている、濃厚、などの評価で好き嫌いは分かれるかもしれません。
レナード・バーンスタインのオススメの録音は?
レナード・バーンスタインの録音は数多いのですが、私自身良いなと思ったのが、ショスタコーヴィチの交響曲。シカゴ交響楽団に37年振りに指揮をおこなったときのライヴ録音なのですが、これほど感情豊かなショスタコーヴィチは他では聴けないと思います。米国グラミー賞を受賞しています。
カルロス・クライバー (1930年-2004年)
カルロス・クライバーってどんな指揮者?
カルロス・クライバーは世界的な指揮者エーリヒ・クライバーの息子で、カリスマ指揮者としてバイエルン国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座歌劇場、ウィーンフィルなどへの客演をおこないました。録音嫌いでキャンセル魔としても知られています。その分、彼が指揮する演奏会はチケットの売り切れが出るほど人気を博しています。演奏スタイルとしては流麗で、音楽の解釈はインスピレーションに富んでいます。
カルロス・クライバーのオススメの録音は?
カルロス・クライバーの録音は数少ないですが、その中でもオススメを一つ挙げるとしたら、ブラームスの交響曲第4番を紹介したいと思います。1980年にウィーンフィルと演奏したもので、哀愁漂う第1楽章、ウィーンフィルなのに感情がほとばしっているようでグイグイと引き込まれるように演奏しています。
クラウディオ・アバド (1933年-2014年)
クラウディオ・アバドってどんな指揮者?
クラウディオ・アバドはイタリア出身の指揮者で、ロンドン交響楽団、ウィーン国立歌劇場、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を歴任し、晩年はルツェルン祝祭管弦楽団のポストに就任しました。ヘルベルト・フォン・カラヤン亡き後のクラシック音楽界をリードしてきた指揮者で、知的な解釈とほとばしる情熱的な表現で多くの名演をおこなっています。
クラウディオ・アバドのオススメの録音は?
クラウディオ・アバドの名演は数多いので、オススメの録音を一つに絞り込むのは本当に難しいですが、ここではルツェルン祝祭管弦楽団とのマーラーの交響曲第3番を紹介します。2007年のルツェルン音楽祭・夏の演奏で、深い解釈でじっくりと弾き込まれた演奏になっています。この曲の最高の演奏でしょう。
マリス・ヤンソンス (1943年-2019年)
マリス・ヤンソンスってどんな指揮者?
ラトビア出身の指揮者で、1979年から2000年の長期に渡ってノルウェーのオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者として、このオーケストラを世界レベルへと引き上げました。さらに2003年からバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任し、2019年に亡くなるまでオーケストラと密度の高い演奏を行ってきました。また2004年から2015年にはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者も兼任し、ヨーロッパの2つの超一流オーケストラのトップを同時に務めていました。謙虚で人望が厚く、オーケストラのメンバーからも慕われた指揮者でした。
マリス・ヤンソンスのオススメの録音は?
マリス・ヤンソンスの名演も数多いですが、オススメを1つだけ出すなら、私自身もよく聴いているレコーディングを紹介します。2016年にバイエルン放送響とライヴ録音したマーラーの交響曲第9番で、熟慮された解釈でオーケストラの響きも完璧です。
ベルナルト・ハイティンク (1929年-)
ベルナルト・ハイティンクってどんな指揮者?
ベルナルト・ハイティンクのオススメの録音は?
現役の指揮者編
リッカルド・ムーティ(1941年-)
ヴァレリー・ゲルギエフ (1953年-)
ヴァレリー・ゲルギエフってどんな指揮者?
ヴァレリー・ゲルギエフはロシア出身の指揮者で、1988年から現在もマリインスキー歌劇場の芸術監督を務め、ロシア作品のオペラ、バレエを得意としています。2004年から2015年までロンドン交響楽団の首席指揮者、2015年からはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めています。最近はバイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭への参加もあり、2020年はウィーンフィルとシェーンブルンでの夏の夜のコンサートを無観客で実施し、11月にコロナ禍でも特例の対応で来日公演を実施しました。
ヴァレリー・ゲルギエフのオススメの録音は?
ゲルギエフの名演も数多く、また現役バリバリの指揮者ですので、今後オススメも変わるかもしれません。現時点で一つ挙げるとしたら、2019年のバイロイト音楽祭に初出演して「タンホイザー」を指揮した演奏を紹介したいと思います。ゲルギエフがヴァーグナーを指揮するという期待と不安もありつつ映像で観てみましたが、圧倒的な演奏で感動しました。
リッカルド・シャイー (1953年-)
リッカルド・シャイーってどんな指揮者?
イタリア出身の指揮者で、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めた後、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターへ。世界最古のこのオーケストラを復活させたと言われています。そして今はミラノ・スカラ座の音楽監督、クラウディオ・アバドの意志を継いでルツェルン祝祭管弦楽団の音楽監督を務めています。
リッカルド・シャイーのオススメの録音は?
リッカルド・シャイーは特にゲヴァントハウス管のポジションに就任して以降、名指揮者の域へと高まっており、毎年のレコーディングで進化し続けています。今後オススメの録音が変わるかもしれませんが、現時点でのオススメは、ゲヴァントハウス管とのブラームスの交響曲全集を挙げたいです。名門の重厚感ある響きを復活させたシャイーの手腕が見事で、英国グラモフォン賞を受賞しました。
サイモン・ラトル (1955年-)
サイモン・ラトルってどんな指揮者?
サイモン・ラトルのオススメの録音は?
クリスティアン・ティーレマン (1959年-)
アンドリス・ネルソンス (1978年-)
アンドリス・ネルソンスってどんな指揮者?
ラトビア出身の指揮者で、2008年から2015年までバーミンガム市交響楽団、2014年からはボストン交響楽団の音楽監督を務め、並行して2017年からはリッカルド・シャイーの後任としてライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターに就任しています。2020年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートに登壇し、今最も勢いのある指揮者の一人です。
アンドリス・ネルソンスのオススメの録音は?
アンドリス・ネルソンスは年齢的にはまだ中堅。指揮者としてますます進化していくことが予想されるので、オススメの録音もまた変わってくると思いますが、現時点で一つ挙げるとしたら、ボストン響とのショスタコーヴィチの交響曲の録音を紹介したいと思います。ネルソンス×ボストン響はショスタコーヴィチの交響曲全集に取り組んでいますが、これまでリリースされている録音が米国グラミー賞を3回受賞。高い評価を受けています。
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