クラウディオ・アバドは2回目となるベートーヴェンの交響曲全集を、首席指揮者を務めるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とライヴ録音しました。ヨーロッパ・コンサートでの第9の演奏の後、胃がんの手術をおこなって休養に入ったアバド。復帰後に聖チェチーリア音楽院で第1番から第8番をライヴ録音しました。情熱がほとばしっています。
ヘルベルト・フォン・カラヤン最初のベートーヴェンの交響曲全集は、1951年から1955年にかけてイギリスのフィルハーモニア管弦楽団を指揮しておこなわれました。後のベルリンフィルとの再録では見られないフレッシュでスリリングな演奏で、貴重な演奏です。
ドイツの指揮者、オイゲン・ヨッフムはブルックナー協会の会長も務めたことがあり、ブルックナーの大家。交響曲全集も2回完成させていて、2回目はシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した演奏で、1975年から80年にかけて録音されました。旧録よりも丸みを帯びるどころか、より尖った演奏となっています。
エフゲニー・キーシンは1998年にショパンのバラード全集を録音しています。まだ26歳のときの演奏で、神童からベテランの域へ進もうとするキーシンの迷いや試行錯誤を感じる演奏です。16分音符の正確な打鍵は素晴らしいですが、解釈が独特なので好みは分かれるところでしょう。
マリス・ヤンソンスが得意としたR.シュトラウス。晩年の最高のパートナーだったバイエルン放送交響楽団を指揮して、2014年に『死と変容』、2016年に『アルプス交響曲』をライヴ録音しています。ヤンソンスらしい極上の官能美とまろやかさで聴かせてくれます。
ピエトロ・マスカーニの代表作、歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』。うっとりするような美しい音楽が詰まったこの作品を、ヘルベルト・フォン・カラヤンは1965年にミラノ・スカラ座を指揮して録音しました。官能的な極限の美しさで、有名な間奏曲も本当に素晴らしい名演奏です。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と初めてベートーヴェンの交響曲全集を録音したのは、ベルギー出身でフランス音楽を得意としたアンドレ・クリュイタンス。1957年から1960年の録音で、雄大で堂々とした風格。これを聴くとなぜ彼が最初の全集の指揮者に選ばれたのか、よく分かります。
現代を代表するピアニストの一人、マルタ・アルゲリッチは1998年にシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団とショパンのピアノ協奏曲2つを録音しています。癌の手術後の翌年の一球入魂の演奏は、日本と英国の音楽賞を受賞した名盤です。
エレーヌ・グリモーはブラームスのピアノ協奏曲を何度も演奏していますが、2012年にアンドリス・ネルソンス指揮のバイエルン放送交響楽団とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団という理想のパートナーを得て2曲を録音しています。グリモーらしいカラフルな色彩の演奏です。
往年の名指揮者、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは1948年から1954年にかけてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、バイロイト祝祭管弦楽団を指揮してベートーヴェンの交響曲を録音しています。特にバイロイトの第九と呼ばれる第9番はすごいです。
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