
パッパーノがロンドン響と2年ぶりの来日公演
東京は34日連続で雨という記録的な天気ですが、秋の来日公演が始まっています。ロンドン交響楽団です。
首席指揮者のアントニオ・パッパーノと2024年以来2年ぶりの来日公演は3つのプログラム。便宜上A〜Cプロと呼ぶことにすると、
- Aプロ: プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第2番 (独奏はHIMARI)、ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
- Bプロ: 藤倉大 Amber Alchemy、マーラー 交響曲第2番『復活』
- Cプロ: モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第1番 (独奏はHIMARI)、ブルックナー交響曲第9番
かなりタイトなスケジュールで、
- 9/26(土) Aプロ@京都コンサートホール
- 9/27(日) Aプロ@東京、NHKホール (NHK音楽祭)
- 9/28(月) Bプロ@東京、サントリーホール
- 9/29(火) Cプロ@東京、サントリーホール
- 9/30(水) Bプロ@大阪、フェニーチェ堺
と東西の移動も含めて連続での演奏会。
その中でちょうど日程的に中間にあたる9月28日のサントリーホール公演を聴いてきました。
小雨が降る開演前のサントリーホール。


休憩無しで藤倉大とグスタフ・マーラー
曲目は下記の通り。
- 藤倉 大: Amber Alchemy (世界初演)
- グスタフ・マーラー: 交響曲第2番『復活』
休憩無しで2曲続けての演奏でした。
開演前にステージ上で練習しても一部の人だけとか、一旦退場して拍手とともにオーケストラの入場があるものですが、ロンドン響は時間前から練習する人が続々と増え、19時の5分前には団員がほぼ勢揃いの状態に。第2コンマスの方がリードして音合わせをした後に第1コンマスの方が入場。そして指揮者のパッパーノもステージに。第1ヴァイオリンが左、第2ヴァイオリンが右に配置する、対向配置です。
1曲目は世界初演のAmber Alchemy。今回の来日公演の主催者である野村ホールディングスの情報によるとアンバーは蜂蜜の色、アルケミーは変容を意味していて、ロンドンの野村ホールディングスのオフィスの屋上での養蜂に作曲家が着想を得て作曲したというもの。
指揮棒無しでハンドによるパッパーノの指揮。宇宙の誕生のような神秘的な演奏で、移ろいゆく世界に描かれていました。ロンドン響の綺羅びやかなサウンドが本当に合います。音楽を聴いて色んなフィーリングを得たり想像したりするのは、AI時代だからこそ大切にしたい感性だなと思いました。演奏後には作曲者が客席からステージに登場して喝采を浴びていました。
テンポの伸び縮みとパッパーノの真価現る『復活』
休憩無しの後半はマーラーの『復活』。私はこの曲で初めてパッパーノの真価を知りました。歌劇場で叩き上げた指揮者だけに歌手・合唱とオケのバランスが素晴らしい。テンポ・ルバートでさらっと流すところもあれば、じっくり溜めを作るところも。
第1楽章ではコントロバス8人で主旋律を奏でて、次のフレーズではさっと伴奏に回るのですが、それが実にかっこいいです。
ステージ後ろの席は2列しか客席を入れなかったのですが、途中の楽章から空いている席に混声合唱団が着きます。最終楽章の始めは座って静かに厳かに歌っていた合唱が、途中から起立してボルテージが上がっていきました。途中楽章終わって入場したコントラルトとソプラノも、まずコントラルトが『原光』で暗闇のような始まりから、クライマックスには光が差し込むようでした。

ステージ袖から小部隊でバンダでの演奏もあり、遠くから聴こえてくる絶妙な効果。終楽章ではパイプオルガンも使用して、視覚的にも壮大な『復活』でした。涙している聴衆もいて、私にとっても心に沁みた名演でした。


ソプラノ:マリア・ベングトソン
コントラルト:ノア・ベイナルト
合唱:東京混声合唱団
指揮:サー・アントニオ・パッパーノ
ロンドン交響楽団
演奏:2026年9月28日, サントリーホール・大ホール






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