これはどうなんだ? ラファウ・ブレハッチの古典派ソナタ集 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン(2008年)

古典派ソナタ集 ラファウ・ブレハッチ(2008年)

このアルバムの3つのポイント

古典派ソナタ集 ラファウ・ブレハッチ(2008年)
古典派ソナタ集 ラファウ・ブレハッチ(2008年)
  • ラファウ・ブレハッチのドイツ・グラモフォン録音第2弾
  • ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの古典派ピアノ・ソナタ
  • カラフルすぎるピアノの音色と力強すぎるタッチ

2005年のショパン国際コンクールの完全覇者、ラファウ・ブレハッチ。コンクール優勝後にドイツ・グラモフォンとの専属契約を結び、2007年にレコーディングしたショパンの前奏曲全集で印象的なデビューを飾りました。

リサイタルで半分の12曲を聴いていたときにも感じたのですが、ふわっと香るようなアドリブ感があり、こんなショパンの演奏スタイルもあるんだなと驚いたものでした。

続く第2弾が、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの古典派ピアノ・ソナタ集。2008年7月の録音です。

ショパン・コンクールの優勝者が早速レパートリーを広げて、しかも音が増えて技巧に走る後期ロマン派に行くと思いきや、古典派の時代の作品を扱ったことに驚いたものでした。

1曲めはハイドンのピアノ・ソナタ第62番。ホーボーケン番号(Hov.)のXVI:52 (16:52)の作品です。

ブレハッチのピアノは、かなりカラフル過ぎて和音がビビッドすぎる感じは否めないですが、巧みな技術と軽快さで魅了してくれます。

第1楽章は変ホ長調の和音の後、たっぷりと聴かせるようにフレーズを弾くが、曲想が変わるところでは素早く正確なタッチで弾き分けていますし、第3楽章は速めのテンポで自由に弾き走っています。

2曲めは、モーツァルトではなくベートーヴェンのほうのピアノ・ソナタ。第2番イ短調Op.2-2です。

こちらでは従来のスタイルにはとらわれず、ブレハッチが速めのテンポで、豊かすぎる響きで突っ走ります。こちらもカラフル過ぎて音量が大きすぎる演奏なので、「古典派らしい」弾き方を好む方にはあんまりかもしれません。私もフォルテの和音がうるさすぎて苦手です。

3曲めはモーツァルトのピアノ・ソナタ第9番ニ長調。このCDがリリースされた後の2009年2月の来日リサイタルを私も聴きに行ったのですが、ショパンの作品の他にモーツァルトのピアノソナタ第17番 変ロ長調を演奏し、心の琴線に触れるような慈愛に満ちた演奏を聴かせてくれました。

こちらの第9番は、速めのテンポで第1楽章を弾き進め、フォルテが強すぎるところも前の2曲と共通しています。明るい曲調なのですが、蛍光色でどぎつい色で塗りたくったかのような音色です。第2楽章はゆっくりのテンポでしんみりと。第3楽章も軽やかですが、フォルテでのタッチが強すぎるのが気になります。

ブレハッチはショパンやドビュッシーで素晴らしい演奏を聴かせてくれますが、古典派のピアノ・ソナタについては、その特徴が悪い方向に向いてしまった印象があります。

オススメ度

評価 :2/5。

ピアノ:ラファウ・ブレハッチ
録音:2008年7月, ベートーヴェン・ザール(ハノーファー)

廃盤のため無し。

iTunesで試聴可能。

特に無し。

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