- 2016年のハイティンク×バイエルン放送響のライヴ録音
- 87歳のハイティンクが生み出す深み
- バイエルン放送響の透明感、美しさ
ハイティンクとバイエルン放送響の2016年ライヴ
バイエルン放送交響楽団は、晩年のベルナルト・ハイティンクがよく客演して、深みのある演奏を堪能させてくれた。マーラーの交響曲についても、第4番を2005年11月、第9番を2011年12月、そして今回紹介する第3番を2016年6月にライヴで録音している。
バイエルン放送響のマーラー交響曲全集に採用
この交響曲第3番の録音は、バイエルン放送交響楽団たちの自主レーベルBR Klassikで2017年1月にリリースされているが、BR Klassikから2018年4月にリリースされた指揮者5名によるマーラーの交響曲全集にも採用されている。ハイティンクとのマーラーの交響曲のライヴ録音は第3番、第4番が含まれている。なお、ハイティンクとバイエルン放送響のマーラーの交響曲第9番もエコー賞やマーラー賞を受賞した名盤だが、全集にはマリス・ヤンソンス指揮の2016年10月のライヴ録音のほうが採用されている。
卓越した深さ
さて、ハイティンクとバイエルン放送響によるこのマーラーの交響曲第3番の録音だが、少しゆったり目のイン・テンポで終始進んでいく。ハイティンクのマーラーの交響曲第3番の録音も数多いが、その中でも最も丁寧に音楽が作られている印象だ。このとき、ハイティンクは87歳。マーラーの交響曲の特徴である壮大さや激しさからは対極にある演奏だが、ハイティンクの卓越した視点で奥深く、バランスの取れたハーモニーで演奏されている。最終楽章も終始美しく、非常に聴き応えがある。晩年のカール・ベームのように、自然体で聴かせる音楽だ。
まとめ
壮大さや掻き立てるようなパッションは感じられないかもしれない。ただ、ひたすら自然体で、慈愛に満ちて、奥深い。数あるマーラーの交響曲第3番の録音でも、ハイティンクの境地にたどり着いた演奏だろう。
オススメ度
メゾソプラノ:ゲルヒルト・ロンベルガー
アウグスブルク大聖堂聖歌隊
バイエルン放送女声合唱団
指揮:ベルナルト・ハイティンク
バイエルン放送交響楽団
2016年6月16-17日, フィルハーモニー・ガスタイク(ライヴ)
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試聴
iTunesで試聴可能。
受賞
特に無し。
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