東ドイツを代表する指揮者の一人クルト・ザンデルリングは当時は珍しくシベリウスに取り組んだ指揮者。交響曲全集はベルリン交響楽団との録音で、1970年から77年にかけてイエス・キリスト教会でのセッション録音。シンフォニックに響かせながらも初期の交響曲の英雄的な響かせ方や、後期交響曲での空気感のある侘び寂びが見事です。
ブルックナーを得意としたカール・ベーム。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との一連の交響曲録音は評価が高いですが、その中でも交響曲第3番「ヴァーグナー」は1970年9月にデッカで録音されました。音響に定評のあるゾフィエンザールで、素朴で実直なブルックナーの姿を描いています。
ヴラディーミル・アシュケナージはキャリア初期にフランツ・リストの作品を演奏していましたが、1970年に録音された超絶技巧練習曲集は高い集中力とカミソリのようなシャープなテクニックがただただすごいです。日本のレコード・アカデミー賞を受賞し、エフゲニー・キーシンからも高評価のアシュケナージのリストを紹介します。
シカゴ交響楽団の音楽監督に就任し、この名門オーケストラの第二の黄金期を到来させたゲオルグ・ショルティ。コンビ最初の録音はマーラーの交響曲第5番でしたが、その翌週に第6番「悲劇的」を録音しています。速めのテンポで押し切った容赦なく突き進む悲劇、そしてアンダンテで魅せる官能美には、シカゴ響の魅力が溢れています。
サー・ゲオルグ・ショルティは1969年にシカゴ交響楽団の音楽監督に就任しました。初めてのレコーディングに選ばられたのは、マーラーの交響曲第5番。スケール満点で速めのテンポで引き締まった演奏を行いつつ、アダージェットでは美しさを堪能させてくれます。
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