ブルックナーの大家として知られる指揮者、オイゲン・ヨッフムは2回交響曲全集を完成させています。1回目は1958年から1967年にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とバイエルン放送交響楽団を振り分けて完成させました。重厚感があり、ドイツならではの厳しくも武骨な演奏をおこなっています。
マリス・ヤンソンスは首席指揮者を務めたバイエルン放送交響楽団を指揮して、2005年から2017年にかけて断片的にブルックナーの交響曲のライヴ録音をおこなってきました。遺したのは6曲だけですが、いずれもヤンソンスらしい奥深さとハーモニーの美しさで、現代最高峰のブルックナーと言えるでしょう。
作曲家アントン・ブルックナーは改訂癖があり、同じ交響曲でも第1稿や第2稿、さらには校訂者によってハース版やノーヴァク版などがあります。演奏家にとってどの版を使うか変わってくるのですが、どの版を使ったのか注目してブルックナーを聴いてみると、さらに奥深く感じますよ。
ヘルベルト・フォン・カラヤンはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、1975年から1981年にかけてブルックナーの交響曲全集をレコーディングしています。響きにこだわったカラヤンらしく流麗で聴きやすいサウンドが特徴。楽譜は意外にもハース版を多めに使用していました。
ブルックナーを得意とした指揮者ベルナルト・ハイティンクは、首席指揮者を務めていたシカゴ交響楽団とブルックナーの交響曲第7番をライヴ録音しました。さらにゆっくりになった演奏で、シカゴ響の技量を持って丁寧にブルックナーの音楽を演奏しています。
ブルックナーを得意としたベルナルト・ハイティンクは録音も数多いですが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とは交響曲全集も完成させています。その一方で1978年に録音されたもう一つの交響曲第7番の録音もあり、アナログ時代の柔らかい響きで穏やかな演奏をおこなっています。
イタリア出身の名指揮者カルロ・マリア・ジュリーニは1988年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してブルックナーの交響曲第9番を録音しています。ロマンに流されない、しっかりとした構造でウィーンフィルの美音を引き出した演奏です。数多いジュリーニの名演の中でも最高の録音の一つでしょう。
マリス・ヤンソンスは2014年3月にブルックナーの交響曲第9番をロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とライヴ録音しています。コンセルトヘボウ管の豪華なサウンドを存分に鳴らしつつ、意外に厳しい表情を見せる厳かな音楽です。
2019年に引退することになった、指揮者ベルナルト・ハイティンク。最後のザルツブルク音楽祭では、エマニュエル・アックスとベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、そしてブルックナーの交響曲第7番を演奏しました。オーケストラは長年のパートナー、ウィーンフィルです。
2013年8月末。ルツェルン音楽祭でシューベルトの交響曲「未完成」とブルックナーの交響曲第9番を演奏したコンサートが、クラウディオ・アバド最後のコンサートとなりました。そのブルックナーの交響曲第9番のレコーディングは、英国グラモフォン賞の「レコーディング・オブ・ザ・イヤー」を受賞。どのような演奏なのでしょうか。
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