マウリツィオ・ポリーニは1980年代にシューベルトの後期ピアノソナタを録音しました。ピアノソナタ第19番、第20番、第21番、アレグレット、そして3つの小品。圧倒的なピアニズムと歌心による驚かされるシューベルト演奏で、日本のレコード・アカデミー賞を受賞した名盤です。
2019年12月でパブリックな演奏活動から引退したヴラディーミル・アシュケナージ。しばらく新譜が出ませんでしたが、4年ぶりとなるピアノ独奏のレコードが10月15日にリリースされました。J.S.バッハのイギリス組曲で、アシュケナージらしいバランスの取れたカラフルな演奏です。
ベートーヴェンの演奏に定評のあるピアニスト、ルドルフ・ブッフビンダーは2019年から20年に3回目のベートーヴェンピアノ協奏曲全集を録音しています。ウィーン楽友協会がムジークフェラインザールで全曲演奏することを認めたチクルスでは、5人の指揮者とオーケストラと協演。多彩な魅力を伝えてくれます。
コロナ下でも万全の対策で開催されたザルツブルク音楽祭2020。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団はクリスティアン・ティーレマンと登場し、エリーナ・ガランチャ独唱によるヴァーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集とブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を演奏しました。こだわりの両翼配置による壮大な演奏です。
カール・ベームはベートーヴェンの第九交響曲を何度か録音していますが、1957年にウィーン交響楽団と録音したものはモノラル録音ながら溢れる熱気を伝えています。全体的に厳しく質実剛健という印象ですが第3楽章の慈愛に満ちた演奏はベームならではでしょう。
ゲオルグ・ショルティは最初のマーラーの交響曲全集をコンセルトヘボウ管、ロンドン響、シカゴ響を振り分けて完成させていますが、その中で第9番は1967年にロンドン響と演奏しました。ボルテージが高い演奏で全体的にエネルギーがみなぎっています。第4楽章の厚みのある美しさも見事です。
いぶし銀の指揮者として知られるルドルフ・ケンペ は、1962年から63年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とヴァーグナーの楽劇「ローエングリン 」をセッション録音しています。当時最高の歌手陣を集めた豪華なキャストで、とにかく歌が輝いています。
ドヴォルザークの不朽の名作「新世界より」。意外にもセッション録音では一度だけのレコーディングとなったカール・ベームの演奏は、1978年にウィーンフィルを指揮したもの。ゴツゴツした触感で進む第1楽章と第2楽章での慈愛に感動します。ドヴォルザークの新しい魅力を引き出すことに成功しています。
今聴いてもすごい指揮者、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー。1951年にベルリンフィルを指揮して録音したシューベルトの交響曲「ザ・グレート」では、大胆なテンポの変化やメリハリのついた静から動への表現が見事です。古い録音なので音質は少し良くないですが、それ以上にフルトヴェングラーに驚かされた一枚でした。
名指揮者サー・ゲオルグ・ショルティは晩年の1996年4月にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とコダーイ、ブラッヒャー、エルガーの変奏曲を録音しました。晩年のリラックスした慈愛に満ちた演奏で、「孔雀」での荘厳さや「エニグマ」での奥深さに驚かされます。
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