クラウディオ・アバドは意外にもシューマンの交響曲の録音をしてきませんでしたが、2012年モーツァルト管弦楽団を指揮したウィーンでのライヴで第2番を録音しています。じっくりと熟された解釈とほのかにほとばしる情熱が見事です。
ベルナルト・ハイティンクはベルリンフィルとのマーラーの交響曲全集が頓挫し、第8盤と第9番が録音されませんでした。しかし、同年にECユース・オーケストラを指揮してマーラーの交響曲第9番をライヴ録音していました。ハイティンクにしては珍しく熱気のある演奏です。
ゲオルグ・ショルティは1967年と1969年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してシューマンの交響曲全集を完成させています。ショルティ唯一の録音となりましたが、エネルギッシュで緊迫感がみなぎっています。自伝でプロデューサーが首を振った録音だったことが書かれています。
現代を代表するピアニストの一人、マウリツィオ・ポリーニは、2015年から2016年にかけてショパンの後期作品をレコーディングしました。舟歌や幻想ポロネーズ、ノクターンは再録音でしたが、初録音となるマズルカも含まれています。円熟味を増したポリーニの今を聴くレコーディングです。
マリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団は、2004年6月のライヴでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」とシェーンベルクの「浄夜」を演奏し、ライヴ録音しています。ヤンソンスの師であるヘルベルト・フォン・カラヤンが得意とした作品で、カラヤン美学を引き継ぐ究極の美しさが絶品です。
戦前の四大指揮者と言われた一人、ウィレム・メンゲルベルクは1940年にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮してベートーヴェンの交響曲全集を録音しました。メンゲルベルクが楽譜に色々と味付けをしたロマン溢れる演奏で、今の時代には聴けないような大胆な演奏に仕上がっています。
ドイツを代表する指揮者、クリスティアン・ティーレマンは2019年からウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してブルックナーの交響曲全集を開始しました。第1弾となったのが、交響曲第8番で2019年10月のムジークフェラインザールでのライヴ。第2槁ハース版を使った雄大な演奏で、聞き手に高い集中力を要求する演奏です。
クリスティアン・ティーレマンは2019年からウィーンフィルとブルックナーの交響曲全集に着手。第2弾となる交響曲第3番「ヴァーグナー」は2020年11月のライヴ録音。ウィーンフィルと因縁のある第2稿を使った演奏で、ゆったりとした雄大さと爆発するような熱さが見事です。
ラファエル・クーベリックとバイエルン放送交響楽団は、1965年に来日公演を行いました。大阪フェスティバルホールの演奏がNHK音源を最新技術でリマスタリングで初リリース!ベートーヴェンの「田園」とブルックナーの交響曲第8番が収録。バイエルン放送響のスッキリとした響き、両翼配置によって生まれる立体感など聞き所満載。
マウリツィオ・ポリーニは1960年のショパン国際コンクールで優勝してから一度表舞台から姿を消しましたが、1968年にフランスでおこなわれたリサイタルのレコーディングはその研鑽を経た後の演奏。緊迫感漂う演奏で、ポロネーズ第5番から暗黒の世界に引きずり込まれます。
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