※2022/12/08 追記: サントリーホール公演1の感想をこちらの記事に紹介
※2022/10/26 追記:バレンボイムがアジア・ツアーを降板し、ティーレマンが代理に
※2022/10/06 追記
※2022/07/20 初稿

名門オーケストラの来日が復活しつつ

コロナ下になって3年目。2020年はこちらに書いたように来日公演がほとんどキャンセルになってしまい、2021年はこちらの記事で振り返りましたが、個人で来日するピアノ・リサイタルは増えてきましたが、依然としてオーケストラの来日は難しく、有名どころでは2年連続で厳しいルールで来日したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ぐらい。

今年はようやく行動制限が解かれつつあり、2022年9月にサー・サイモン・ラトルロンドン交響楽団と、11月にはアンドリス・ネルソンスボストン交響楽団と、そして2022年12月にはドイツ・ベルリンにある名門シュターツカペレ・ベルリン(SKB)が音楽監督のダニエル・バレンボイムとともに来日する予定です。

SKBはベルリン国立歌劇場の附属オーケストラとして1570年に設立。創立450年以上となり、世界最古級のオーケストラです。来日公演は2016年でブルックナー・チクルスを演奏して以来、6年ぶり。

今年は

  • シューベルトの交響曲第7番「未完成」、チャイコフスキーの交響曲第5番
  • ブラームスの交響曲第1番、第2番
  • ブラームスの交響曲第3番、第4番

の3プログラム。

グローバル化して音が均質になっていっている世界のオーケストラの中で、変わらずドイツの重厚さを保っているSKBの演奏を楽しみにしている方も多いでしょう。人気のあるプログラムが演奏されるというのも大きいと思います。12月の公演でまだ先行販売の段階ですが、既にC席以下は完売となっていて高い人気を伺えます。

【チケットぴあ】世界最古級にして最高のオーケストラ、6年ぶりの来日。巨匠バレンボイムが贈る、超・円熟のブラームスチクルスと未完成&チャイ5!

ブラームスの交響曲全集は既に録音あり

今回の来日公演の予習になるのが、シュターツカペレ・ベルリンとバレンボイムのブラームス交響曲全集。2017年3月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールでの録音があり、2018年にリリースされています。

【Apple Music】ダニエル・バレンボイム/シュターツカペレ・ベルリン Brahms Symphonies

私もApple Musicで聴きましたが、力で圧倒するわけでも情熱で雑になるわけでもなく、意外にも自然なフレージング。ピエール・ブーレーズ・ザールでの初めてのオーケストラ録音ということで、音響面でも聴き込みたいアルバムになっています。

交響曲第1番は冒頭が重々しく始まるのが常ですが、バレンボイムとSKBは切なくも美しい、哀愁さを出しています。これは今までに聴いたことがないアプローチでした。サントリーホールでどうなるのか、楽しみですね。

行くことに

※2022/10/06 追記

この記事を7月に書いたときは、来日公演を聴きに行くか心が決まっていなかったのですが、10月1日に新聞に掲載された広告を見て覚悟を決めました。

ダニエル・バレンボイムとシュターツカペレ・ベルリンの2022来日公演(東京)の広告
ダニエル・バレンボイムとシュターツカペレ・ベルリンの2022来日公演(東京)の広告

コンサートの2ヶ月前なのにまだC席以上の残席があることに驚きましたが、価格にもびっくり。S席が3万5千円です。Twitter にも書きましたが、2016年の来日時は、オーケストラのみのプログラムでS席が2万5千円、ピアノ協奏曲があったプログラムでは2万9千円でした。

今年はオーケストラのみのプログラムで、3万5千円なので、純粋に1万円アップということですね。円安や物価高の影響もありますが、だいぶ高嶺の花、高値の花になったなぁと。

早速チケットぴあを見てみると、12/7の公演は売り切れ、12/6と12/8はS席が残っているだけでした。ただ、他にもチケットを取り扱っているイープラスを見ると12/7は売り切れですが、12/6と12/8はA席以上がありました。チケット会社によって残席が違いますね。楽天チケットで見てみると12/7はS席だけ残っていましたし。

ということで、値が張るのはしかたないと思いつつ、今回のバレンボイムとSKBの来日公演、1コンサートだけ行くことにしました。

今はひたすらApple Music でダニエル・バレンボイム×シュターツカペレ・ベルリンの録音を聴いています。今回の来日公演でも演奏するブラームスの交響曲全集だけでなく、ブルックナーの交響曲全集、さらに11月4日に正式リリースされるシューマンの交響曲全集の先行配信も聴き込んで予習をしています。12月が楽しみになってきました。

バレンボイム、アジア・ツアーを降板、代理にティーレマン

※2022/10/26 追記

12月のコンサートが近付いてきましたが、チケット会社から今日来たメールに驚きました。

ダニエル・バレンボイムシュターツカペレ・ベルリンのアジア・ツアーを降板し、代理にクリスティアン・ティーレマンが務めることになったのです。

主催者の株式会社テンポプリモのHP で本日付で公開されています。

テンポプリモのHPではティーレマンの写真に変わっています (2022年10月26日時点)
テンポプリモのHPではティーレマンの写真に変わっています (2022年10月26日時点)

12月に来日を予定しておりますベルリン国立歌劇場管弦楽団の指揮者ダニエル・バレンボイムは健康上の理由により、日本公演を含むアジア・ツアーを、やむなく降板することになりました。代わりまして、バレンボイムの推薦により、クリスティアン・ティーレマンが指揮を務めます。ティーレマンは、シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を務め、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル等、世界の第一級のオーケストラと共演を重ねてきたドイツを代表する世界的巨匠です。バレンボイムの指揮にご期待くださいました多くの皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご理解を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

【株式会社テンポプリモ】【指揮者・一部公演曲目変更のお知らせ】ベルリン国立歌劇場管弦楽団≪シュターツカペレ・ベルリン≫ (2022年10月26日)

12月7日と8日のサントリーホールでのブラームス・チクルスは曲の変更はなく、演奏順番が第1番→第2番が第2番→第1番になったぐらい。しかし、12月6日のオペラシティのコンサートでは、演奏プログラムが全て変わることに。

なお、指揮者の変更に加えて、12月6日(火)の公演は以下の通り曲目の変更がございます。

2022年12月6日(火) 19:00 東京オペラシティコンサートホール

シューベルト:交響曲第7番ロ短調 ≪未完成≫作品759 

チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64

 ↓

ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死

ブルックナー:交響曲第7番ホ長調

通常、出演者・曲目変更に伴う払戻しは実施しておりませんが、全曲目が変更した12月6日(火)の公演に限り、ご希望のお客様には払戻しをお受け致します。

来月で80歳を迎えるバレンボイムの健康面が心配ですね。

バレンボイムは10月5日のTwitter でのツイートで、数ヶ月間は指揮などの活動から降りることにしたと宣言しています。

ティーレマンはドイツの重鎮指揮者で、現代最高のヴァーグナー指揮者の一人でもありますが、レパートリーがドイツ・オーストリアの作品に限られていることが弱点でもあります。今回、ブラームスはティーレマンの得意とする作曲家ですが、シューベルトとチャイコフスキーはあまり縁がないのでヴァーグナーとブルックナー中心のプログラムに変わってしまいましたね。

私が行くのはブラームスのプログラムなので、プログラムの影響はありませんでした。

ティーレマンもBlu-ray の映像とCD で見聞きしてこのブログでも数多く紹介しています。一度は生で聴きたいと思っていたので、しっかりとティーレマン&シュターツカペレ・ベルリンを聴いてこようと思います。

Category
Tags

コメントはまだありません。この記事の最初のコメントを付けてみませんか?

コメントを書く

Twitterタイムライン
カテゴリー
タグ
1976年 (21) 1977年 (16) 1978年 (19) 1979年 (14) 1980年 (14) 1985年 (14) 1987年 (17) 1988年 (15) 1989年 (14) 2019年 (21) アンドリス・ネルソンス (21) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (84) ウィーン楽友協会・大ホール (59) エジソン賞 (19) オススメ度3 (80) オススメ度4 (119) オススメ度5 (154) カルロ・マリア・ジュリーニ (28) カール・ベーム (28) キングズウェイ・ホール (15) クラウディオ・アバド (24) クリスティアン・ティーレマン (18) グラミー賞 (29) コンセルトヘボウ (36) サー・ゲオルグ・ショルティ (55) サー・サイモン・ラトル (22) シカゴ・オーケストラ・ホール (23) シカゴ・メディナ・テンプル (16) シカゴ交響楽団 (53) バイエルン放送交響楽団 (35) フィルハーモニー・ガスタイク (16) ヘラクレス・ザール (21) ヘルベルト・フォン・カラヤン (33) ベルナルト・ハイティンク (37) ベルリン・イエス・キリスト教会 (22) ベルリン・フィルハーモニー (33) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (67) マウリツィオ・ポリーニ (17) マリス・ヤンソンス (43) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 (18) リッカルド・シャイー (21) レコードアカデミー賞 (26) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 (44) ロンドン交響楽団 (14) ヴラディーミル・アシュケナージ (28)
Categories