ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を完成させているヴラディーミル・アシュケナージは、後期の3つのソナタを20年後の1991年に再録音しました。指揮者としての活躍が増え、旧録音よりもバランスが取れて高音域の繊細が見事。湧き上がる清流のような透明感がある演奏です。まるでロマン派を先取ったようなロマンチシズム。
旧ソ連でエフゲニー・ムラヴィンスキーのアシスタントも務めたクルト・ザンデルリングはショスタコーヴィチを得意としていて、ベルリン交響楽団と第1番、5番、6番、8番、10番と15番を録音しています。柔らかさと重厚さがありつつも第5番や10番では圧倒的な演奏。さすがです。
ブルックナーと縁ゆかりが深いウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ですが、意外にも一人の指揮者で交響曲全集を完成させたことはこれまでありませんでした。ウィーンフィルとの全集の指揮者にクリスティアン・ティーレマンが選ばれ、第00番と第0番も含む11曲をライヴ録音しました。インタビューで語ったブルックナーへの想いとは。
ドイツの指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュの代表的な録音がシュターツカペレ・ドレスデンとのシューマンの交響曲全集。1972年のレコーディングですが、重厚すぎず素朴すぎない絶妙な響きで、シューマンの世界を奥深く表現しています。特に第1番『春』での第1楽章のハツラツとした演奏と第2楽章の侘び寂びが見事。
冷戦時代の東ドイツを代表する指揮者フランツ・コンヴィチュニー。1949年から62年までライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者を務めました。1961年6月にコングレスハレで録音したブルックナーの交響曲第5番は、恰幅のあるサウンドで堂々たる演奏。ETERNAのオリジナルテープの状況も良く高音質で蘇っています。
個性的な指揮者セルジュ・チェリビダッケは録音嫌いでしたが、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者時代の音源が遺っており、没後リリース。ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」は伸びやかな旋律とかなりスローな葬送行進曲の第2楽章の個性的な演奏です。
ドイツの名ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を3回完成させています。3回目が1964年から65年にかけてハノーファーのベートーヴェン・ザールでセッション録音されたもので、心に染みる旋律が晩年のケンプの特徴を表しています。タワーレコード限定で2015年にリリースされたCDを紹介。
マーラーを得意とした指揮者クラウス・テンシュテットは交響曲全集の他にライヴ録音でもいくつか録音しています。シカゴ交響楽団への唯一の客演となった1990年4月〜5月の演奏会では交響曲第1番「巨人」を演奏。陽の光が差し込むような第1楽章や踊るような躍動感のある第2楽章など聴きどころが満載です。
1980年代からシューマンのピアノ作品に積極的に取り組んだヴラディーミル・アシュケナージ。1984年に録音したアラベスク、蝶々、交響的練習曲のアルバムは日本のレコード・アカデミー賞を受賞した名盤。アシュケナージの2回目となる交響的練習曲の録音はよりバランスが磨かれています。
ギュンター・ヴァントと北ドイツ放送交響楽団は1990年11月3日にサントリーホールでブルックナーの交響曲第8番を演奏します。NHKが放送用に撮影した音源からAltusレーベルがCDをリリース。悠々としたブルックナーのこの作品の本質に迫っています。
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