2013年8月末。ルツェルン音楽祭でシューベルトの交響曲「未完成」とブルックナーの交響曲第9番を演奏したコンサートが、クラウディオ・アバド最後のコンサートとなりました。そのブルックナーの交響曲第9番のレコーディングは、英国グラモフォン賞の「レコーディング・オブ・ザ・イヤー」を受賞。どのような演奏なのでしょうか。
20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。彼の最後の演奏会&録音は、1989年4月のウィーンフィルとのブルックナーの交響曲第7番。第2楽章はヴァーグナーの死を予感して書いたと言われている作品。最晩年のカラヤンの新たな決意と美学の境地が感じられます。
オイゲン・ヨッフムは1952年から1961年にかけて、ベルリンフィルとバイエルン放送響を振り分けてベートーヴェンの交響曲全集を完成。良き時代のベルリンフィルの響きと、バイエルン放送響の若さを堪能でき、伸びやかで重厚感があり、これぞベートーヴェンというべき演奏に仕上がっています。
ヴラディーミル・アシュケナージは平均律クラヴィーア曲集に続くバッハ録音第2弾として、6つのパルティータを2009年に録音しました。お気に入りの自然に囲まれたポットン・ホールで、じっくりと作品に向き合い則天去私のバッハ演奏を聴かせてくれます。現代人の心に潤いを与えてくれる演奏です。
2012年から2013年にかけて行われたリッカルド・シャイーとゲヴァントハウス管弦楽団によるブラームスの交響曲ツィクルス。その全集には、世界初演となる作品や、交響曲の別のバージョンの演奏も含まれています。英国グラモフォン賞を受賞した交響曲全集をレビューします。
ロシアンピアニズムのサラブレッド、スタニスラフ・ネイガウスは実父がゲンリヒ・ネイガウス、息子がスタニスラフ・ブーニンという音楽一家。ロシア国内で優れた演奏家、教育家として活躍していましたが、日本では知る人ぞ知る存在。そんなネイガウスが1971年にモスクワ音楽院で行ったショパン・リサイタルのCDをレビューします。
3楽章までしか完成されなかったブルックナーの交響曲第9番。4楽章の残されたスケッチから、サマーレ・フィリップス・コールス・マッツーカ編による補筆版が完成し、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によって2012年2月に世界初演とライヴ録音がおこなわれました。未完の4楽章はどんな音楽なのでしょうか。
ヘルベルト・フォン・カラヤンはマーラーの作品をあまり演奏しませんでしたが、2年掛けて準備してようやく1973年に交響曲第5番を録音しました。カラヤンの解釈もベルリンフィルの演奏にも違和感のあるマーラーで、日本でも評論家から冷遇されたそうですが、やはりカラヤン、第4楽章のアダージェットは奇跡の美しさです。
2006年から2012年にマリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団が完成させたブラームスの交響曲全集のレビューです。得意の交響曲第1番、牧歌的な第2番、そして優雅な第3番、枯淡の第4番と、透明感あるバイエルン放送響のハーモニーで魅了する演奏。特に第2番は名演だと思います。
2008年10月〜11月のわずか2週間でベルリンでブラームスの4つの交響曲をライヴ録音したサー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。このコンビの待ちに待ったブラームスの交響曲全集は重厚感と躍動感が揃った名演で、ラトルとの新時代を感じさせます。
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