サー・ゲオルグ・ショルティは意外にもチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を1回しか録音しませんでした。唯一の録音が1976年5月のシカゴ交響楽団との演奏。メディナ・テンプルでの凝縮された録音で、引き締まった辛口でシャープな世界観を表しています。
モーツァルトのオペラを多く演奏、録音してきたサー・ゲオルグ・ショルティですが、意外にも交響曲は録音がわずかです。後期交響曲の第40番と41番は初録音となったヨーロッパ室内管と1984年6月におこなわれました。楽譜に忠実ながらも引き締まった表情を見せるショルティのモーツァルトです。
現代を代表するピアニストの一人、マウリツィオ・ポリーニはショパンのピアノソナタ第2番と第3番を1984年に録音しました。正確なコントロールと力強い圧倒的な演奏で、丸みも感じられます。日本のレコード・アカデミー賞とオランダのエジソン賞をダブル受賞した名盤です。
R.シュトラウスを得意としたサー・ゲオルグ・ショルティは、オペラや管弦楽曲を数多く録音しています。アルプス交響曲は意外にもバイエルン放送交響楽団との共演で、様々に変わる山の様子をドラマティックに表しています。バイエルン放送響を鳴らしきってガシガシと突き進む登山道にも注目です。
マーラーの第一人者、レナード・バーンスタイン。2回目の交響曲全集はオーケストラを振り分けて完成させていますが、第5番はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と。ゆったりとしたテンポでえぐるような悲痛さを引き出しています。唯一無二の個性的な演奏です。
ラファエル・クーベリックは1967年から1971年にマーラーの交響曲全集をバイエルン放送交響楽団とおこなっています。スタンダードな演奏として知られ、1967年2月、3月の第9番はバイエルン放送響の美しい響きを引き出して、寂寥に満ちた侘び寂びのある演奏になっています。
ショスタコーヴィチを得意とした指揮者、マリス・ヤンソンス。1997年1月にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して交響曲第5番を録音していますが、これがヤンソンスにとってウィーンフィルとの初録音になりました。後に名誉団員となるほど良好な関係を築く両者の軌跡を感じます。
ピアニストと指揮者として活躍するヴラディーミル・アシュケナージ。ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」では、ピアノ原曲版とともに、アシュケナージ自ら編曲した管弦楽版をフィルハーモニア管弦楽団と録音しました。ラヴェルのオーケストレーションとは違うロシアらしい味わいが特徴です。
ヴラディーミル・ホロヴィッツは晩年の1986年におよそ半世紀ぶりにベルリンでリサイタルを開きます。スカルラッティやシューマン、ラフマニノフ、スクリャービン、リスト、ショパンなどホロヴィッツが得意とした作品で聴衆を湧かせました。モシュコフスキの「鬼火」で締めて茶目っ気を感じるリサイタルです。
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