ブラームス の交響曲は定番レパートリー
世界各国のオーケストラの定番レパートリーがブラームスの交響曲。4つの交響曲では苦悩が感じられる第1番が特に演奏回数が多いですが、牧歌的な第2番、優雅な第3番、枯淡の美しさがある第4番と、全て名曲です。古今東西、数多いブラームスの交響曲のレコーディングの中から良い演奏を見付けるのはなかなか大変。私がこれまで聴いてきた中でオススメのレコーディングを紹介していきます。
この特集記事は、FC2ブログの「【聴き比べ】オススメのブラームスの交響曲全集」をリメークして最新聴いた録音を追加したものです。
ブラームス の交響曲全集の オススメ ・ 名盤
オススメ度
リッカルド・シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2012-2013年)
リッカルド・シャイーは首席指揮者を務めていたコンセルトヘボウ管ともブラームスの交響曲全集をレコーディングしていましたが、2012年〜2013年に、当時カペルマイスターを務めていたゲヴァントハウス管弦楽団と全曲を再録しています。重厚感があって、4曲とも文句無しの出来栄え。イギリスのグラモフォン賞「レコード・オブ・ザ・イヤー」を受賞した名盤です。
オススメ度
サー・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2008年)
サー・サイモン・ラトルはベルリンフィルと2008年の10月から11月の2週間で4曲の交響曲をライヴ録音しました。重厚感、躍動感が揃った名演です。
オススメ度
クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1987-1991年)
ヘルベルト・フォン・カラヤンの後任として、1990年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者・芸術監督に就任したクラウディオ・アバド。それより少し前から始まったアバドとベルリンフィルのブラームスの交響曲全集では、4つの交響曲で重厚感とほとばしる演奏をおこなうだけでなく、珍しい合唱曲も崇高の美しさです。
オススメ度
カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1975年)
カール・ベームは1975年5月と6月にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してブラームスの交響曲全集を完成。ベームらしく作品から距離を置いて淡々としているフシもありますが、ゆったりとしたテンポでウィーンフィルの香り豊かな美音を堪能できます。日本のレコードアカデミー賞受賞盤。
オススメ度
サー・ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1978-1979年)
サー・ゲオルグ・ショルティ唯一のブラームス交響曲全集は、1978年と1979年にシカゴ交響楽団を指揮した録音。このアルバムで1979年の米国グラミー賞の「BEST CLASSICAL ALBUM」と「BEST CLASSICAL ORCHESTRAL RECORDING」の二冠を達成しました。
贅肉の無い引き締まった演奏で、辛口の口当たりのするブラームスです。
オススメ度
アンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団(2016年)
ボストン交響楽団の音楽監督であるアンドリス・ネルソンスは、3シーズン目の2016年にブラームス・チクルスを実施し、4つの交響曲をライヴ録音しました。
ボストン響の力強く輪郭の太い演奏で、金管楽器を強調させたところはユニークです。
オススメ度
マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団(2006-2012年)
マリス・ヤンソンスはバイエルン放送交響楽団と2006年から2012年にブラームスの交響曲全集をライヴ録音で完成させています。バイエルン放送響の透明感ある響きとヤンソンスの熟成された音楽作りがブラームスの交響曲の最高峰の名演を生み出していますが、特に第2番が格別。この豊かな響きは唯一無二です。
ブラームス の 交響曲 第1番の オススメ・ 名盤
苦悩から歓喜へと進む交響曲第1番ハ短調のオススメの録音を紹介します。
オススメ度
カール・ベーム/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (1959年)
カール・ベーム壮年期の録音で、重厚感と推進力溢れる演奏です。1959年の録音ながら、音質も良いです。
ブラームス の 交響曲 第2番の オススメ・ 名盤
ブラームスの「田園」交響曲と言われることもある牧歌的な作品。そのオススメを紹介します。
オススメ度
マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団(2006年)
先程の交響曲全集でも紹介しましたが、このマリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団のブラームス交響曲全集の中で、交響曲第2番は格別です。
柔らかくて優雅な第1楽章から第3楽章に対して、第4楽章はキビキビとして非常に良い出来。うるさ過ぎず、しずか過ぎず、聴いていて本当に心地良い音楽です。
ブラームス の 交響曲 第3番の オススメ・ 名盤
優雅な第3楽章。最終楽章では嵐のように吹き飛ばします。そのオススメを紹介します。
オススメ度
サー・ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1979年)
こちらも先程の全集でも紹介しましたが、サー・ゲオルグ・ショルティとシカゴ交響楽団のブラームス交響曲全集の中でも、交響曲第3番はすごいです。特に第4楽章では何もかも吹き飛ばすような怒涛の嵐のような音楽です。
ブラームス の 交響曲 第4番の オススメ・ 名盤
名曲だけに名演も多い交響曲第4番ホ短調。哀愁を帯びた悲しい旋律が、聴く者の心に突き刺さります。第4楽章ではバッハ時代のシャコンヌという変奏曲を用いて過去と今をつなぐ力強い音楽です。そのオススメを紹介します。
オススメ度
マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団(2019年)
マリス・ヤンソンスの最後のコンサート、2019年11月8日のカーネギーホールでのライヴ録音。この日、プログラムの後半はブラームスの交響曲第4番。極限まで線を細くして儚い美しさを引き出した名演です。
オススメ度
クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1991年)
全集でも紹介しましたが、クラウディオ・アバドがベルリンフィルの交響曲全集では、特に交響曲第4番が素晴らしい出来。この録音だけは、本拠地ベルリン・フィルハーモニーが改修のためにシャウシュピール・ハウス(現ベルリン・コンチェルトハウス)で録音したもので、残響がとてもきれいで、録音も優れています。
オススメ度
カルロス・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1980年)
言わずとしれたカルロス・クライバーの名盤で、ブラームスの4番でオススメの筆頭に上がることが多いアルバム。冒頭から哀愁を漂わせて厭世感がありますが、音楽が進むにつれて雅なウィーンフィルがグイグイと引き込まれるようにヒートアップしていきます。終楽章のクライマックスでの重ね織りしたかのような彩りな色彩も見事。
オススメ度
カルロ・マリア・ジュリーニ/シカゴ交響楽団(1969年)
カルロ・マリア・ジュリーニの壮年期のシカゴ響との録音が収録されたCDボックス。この中にある1969年のブラームスの交響曲第4番の録音は、晩年のジュリーニのゆっくりとしたアプローチとは全く違い、グイグイと推進力のある演奏。シカゴ響の名技も光ります。
コメント数:2
4番のオススメ・名盤のカルロス・クライバー盤のコメントがひとつ上のアバド盤と一緒になってますよ。
シオダタカユキ様、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。失礼いたしました💦 先ほど修正しました。