このアルバムの3つのポイント
- 1948年のフルトヴェングラーとベルリンフィルのライブ録音
- 「侘び寂び」のブラームスの交響曲第4番なのにエネルギー全開
- これぞフルトヴェングラー
ワーナーの激安セールで990円で買ったCD BOX
4月5日の記事で紹介したのですが、タワーレコードでワーナー・クラシックスの輸入盤CD BOXのセールがあり、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集がCD5枚で990円、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団初のベートーヴェン交響曲全集録音となったアンドレ・クリュイタンスとのCD BOXが1,033円。そして、フルトヴェングラーのブラームスの交響曲全集+ドイツ・レクイエムがCD6枚で990円。バナナの叩き売り状態でした。
私も気になっていたレコーディングをまとめ買いして、フルトヴェングラーのベートーヴェンの交響曲全集はこちらの記事にレビューを書き、他にもクリュイタンス/ベルリンフィル盤、ヘルベルト・フォン・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団盤、ブルックナーの交響曲全集(オイゲン・ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン盤)までは書きました。
ただ、まだオットー・クレンペラー/フィルハーモニア管のベートーヴェン交響曲全集と、フルトヴェングラー/ベルリンフィル&ウィーンフィルのブラームスの交響曲全集が聴いたのですがレビューを書けていない状態です。
さすがに買いすぎました。
とは言え、まとめて書くといつできるか分からないので、まずはフルトヴェングラーのブラームス交響曲全集からベルリンフィルとの交響曲第4番(1948年10月のライヴ録音)を紹介します。
「侘び寂び」の曲のはずだが、エネルギーほとばしるフルトヴェングラー
このフルトヴェングラーとベルリンフィルのブラームス交響曲第4番の演奏は、今までに聴いたどの演奏とも違いました。
1948年の録音で、2010年にリマスターされた音源を使って2018年にリリースされたCDですが、音質はお世辞にも良いとは言えません。ベートーヴェンの交響曲全集では第九などで音質が良好になっていたので、ブラームスのほうもクリアになったかなと思っていましたが、だいぶこもって聴こえます。また、ライヴ録音なので、聴衆の咳するノイズなどが入ってしまっています。
ブラームス最後の交響曲で、切なさが表れるホ短調の作品。枯れ葉が舞うかのような侘びしさがある音楽なのですが、フルトヴェングラーは違ったアプローチを取っています。
いきなり最後に飛んでしまいますが、第1楽章の11分22秒あたりから始まるコーダではすさまじいエネルギーで突き進んでいき、テンポもかなり上げてカオスの世界を生み出しています。これほどの鬼気迫る演奏はフルトヴェングラーならではでしょう。
第3楽章もエネルギーに満ちていて、ベルリンフィルが一団になって突き進みます。ティンパニの轟(とどろき)が雷鳴のように聴こえます。
そして第4楽章ではもうすごいの一言。フルトヴェングラーが指揮するだけで同じ曲でもここまで違うのか、驚きを超えて感動すらしてしまいます。
まとめ
フルトヴェングラーがベルリンフィルと1948年に録音したブラームスの交響曲第4番。侘び寂びの曲だと思ったらとんでもないエネルギーに満ちた演奏を繰り広げていました。音質はイマイチですが、これは聴く価値がある1枚だと思います。
オススメ度
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1948年10月24日, ベルリン、ティタニア・パラスト(ライヴ)
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試聴
iTunesで第4楽章を試聴可能。
受賞
特に無し。
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