クラウディオ・アバドはベルリンフィルと1988年から1991年にかけてブラームスの交響曲全集を完成させています。帝王ヘルベルト・フォン・カラヤン時代のオーケストラを引き継ぎ、新しい時代へと向かうアバドが、ベルリンフィルと情熱的で感情がほとばしるブラームスを聴かせてくれます。特に交響曲第4番は素晴らしいです。
シューマンを得意とした指揮者ラファエル・クーベリックは、1963年から1964年にかけて、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してシューマンの交響曲全集を録音しました。後に1979年にバイエルン放送交響楽団を指揮した全集も評価が高いですが、ベルリンフィルの高い機動力を活かした演奏は生き生きとして実に素晴らしいです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と2回目のベートーヴェン交響曲全集録音を1975年から1977年に実施し、米国グラミー賞を受賞しています。そこに含まれている第九は計4ヶ月も掛けてセッション録音しています。カラヤンとベルリンフィル全盛期の美しくて厚みのある聴きやすい第九です。
指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは、同年代の作曲家ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲を第10番だけ演奏、録音しました。ここで紹介する1966年の演奏では、カラヤンの完璧な音楽作りと壮年期の切れ味鋭いシャープな指揮、そしてベルリンフィルの名技が合わさった圧巻の演奏に仕上がっています。
ベルナルト・ハイティンクは1987年から1993年にかけてベルリンフィルを指揮してマーラーの交響曲第1番〜7番、10番第1楽章を録音。全集の予定だったはずが、フィリップスレーベルの経営危機によって未完に終わってしまった選集です。カラヤン亡き後のベルリンフィルを指揮して、新たな時代を到来させたことを感じさせてくれます。
レナード・バーンスタインは1979年10月のベルリン芸術週間でのコンサートに唯一、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮台に立ちました。演奏したのはマーラーの交響曲第9番。濃厚で、キズもあり、ライヴならではの白熱した演奏です。没後にリリースされたCDで、米国グラミー賞のベスト・アルバムと日本レコードアカデミー賞の大賞を受賞した名盤です。
オイゲン・ヨッフムは1952年から1961年にかけて、ベルリンフィルとバイエルン放送響を振り分けてベートーヴェンの交響曲全集を完成。良き時代のベルリンフィルの響きと、バイエルン放送響の若さを堪能でき、伸びやかで重厚感があり、これぞベートーヴェンというべき演奏に仕上がっています。
3楽章までしか完成されなかったブルックナーの交響曲第9番。4楽章の残されたスケッチから、サマーレ・フィリップス・コールス・マッツーカ編による補筆版が完成し、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によって2012年2月に世界初演とライヴ録音がおこなわれました。未完の4楽章はどんな音楽なのでしょうか。
ヘルベルト・フォン・カラヤンはマーラーの作品をあまり演奏しませんでしたが、2年掛けて準備してようやく1973年に交響曲第5番を録音しました。カラヤンの解釈もベルリンフィルの演奏にも違和感のあるマーラーで、日本でも評論家から冷遇されたそうですが、やはりカラヤン、第4楽章のアダージェットは奇跡の美しさです。
2008年10月〜11月のわずか2週間でベルリンでブラームスの4つの交響曲をライヴ録音したサー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。このコンビの待ちに待ったブラームスの交響曲全集は重厚感と躍動感が揃った名演で、ラトルとの新時代を感じさせます。
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