- モーツァルトのレクイエムの定盤
- ベーム晩年を感じさせる究極にゆったりとしたテンポ
- ウィーンフィルの美音と歌手陣の充実ぶり
モーツァルトを得意としたカール・ベーム2回目のレクイエムの録音
モーツァルトを得意とした指揮者カール・ベームは1971年4月に、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とレクイエム ニ短調 K.626を録音した。同時期にウィーンフィルとベートーヴェンの交響曲全集を録音していた時代。
ベームにとっては1956年のウィーン交響楽団とのモノラル録音に次ぐ15年ぶり、2度目の録音となる。しかも、オーケストラはベームとの相性抜群のウィーンフィル。モーツァルトのレクイエムの録音の中では、スタンダードな名盤として紹介されている。私もレクイエムは最初この録音を聴いて知ったので、すごいうまいなと感じたものだったが、後に色々な録音を聴いた結果、今では評価を少し下げてしまっている。テンポがあまりに遅すぎるのだ。
晩年のベームを予感させる極端に遅いテンポ
このベームとウィーンフィルのレクイエムの演奏は、晩年の1970年代後半以降のベームを予感させる、かなりゆっくりとしたテンポ。丁寧に解きほぐした旋律が、じっくりと引き出されていく。モーツァルトを得意としたベームらしく、素朴な響きを足したり引いたりせず、ありのままに厳粛に表現している。
第2曲「怒りの日」では引き締まった表情で、厳か。さすがにテンポはグッと速くなっていて、歌声のバランスがとても良い。
ウィーンフィルらしい美音も良い。全曲を通じて慈愛に満ちていて、心休まる演奏だ。
まとめ
モーツァルトのレクイエムを語る上で、外せないのがこのベーム/ウィーンフィルの録音。
オススメ度
ソプラノ:エディット・マティス
アルト:ユリア・ハマリ
テノール:ヴィエスワフ・オフマン
バス:カール・リッダーブッシュ
ウィーン国立歌劇場合唱連盟(合唱指揮:ノルベルト・バラッチュ)
オルガン:ハンス・ハーゼルベック
指揮:カール・ベーム
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1971年4月, ウィーン楽友協会・大ホール
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受賞
特に無し。
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